面倒なことほどリターンもデカい〜YAPC::Hiroshima 2024に行ってきた

2月9日から13日まで、4泊5日で広島に行ってきました。YAPC::Hiroshima 2024に参加するため。
yapcjapan.org

本編は1日だけですが、前日入りして後半2日は観光のための延泊で。延泊分を除く宿代と往復の交通費は会社に出してもらいました。そんな私の会社の自社サービスは以下。中小企業向けの請求書作成、業務管理、経営管理システムです。リーズナブルで高機能。ぜひどうぞ。
the-board.jp

最初にYAPCに参加した2013年、今の会社にはまだ入ってなくて、IT業界には縁もゆかりもないフリーランスの編集者でした。当時の記録は以下。一生懸命書いてます。
note103.hatenablog.com

直近数回の記録も並べときますね。2018の沖縄ではスピーカー、2019の東京ではLTをやりました。我ながらすごいね。

今回はとほほさんが来るというので、これはマストだろ・・ということで昨年11月にチケットをゲット。広島、高校の修学旅行で行って以来だし。原爆ドームには行ったはずだけど、「空が広かった」以外まじで何も覚えていない。もう50歳目前だし、ひょっとしたら人生最後の広島になるかも、みたいなこともあってチケット買うところまではあんまり悩まなかったんだけど、年末あたりから「あれ、もしかしてもうすぐでは・・?思ってたよりすぐかも?いや〜〜、面倒だな!!」みたいになり始め、とにかくリモートワークにどっぷりで外に出るのも億劫になっていたし、以前新幹線に乗るときにApple Watchで改札を通過できず、そのリカバリーで時間ぎりぎりになったトラウマなどもあったので、それが再現されるのではとつらい心境に。

しかしまあ、とほほさんを間近で見られるのだから、と自分を鼓舞して、なんとか新幹線にも間に合って(改札は拍子抜けするほどすんなり通過)、いざ広島。乗ってしまえば快適な新幹線。富士山もうんざりするほどデカい。

gyazo.com

広島駅に到着、とりあえず一度は乗ってみたかった路面電車に乗って(たぶん人生初)、宿に向かう。

広島市内の路面電車。ホームに降りたところで最後尾を撮影。
初めての路面電車。たしか紙屋町東駅

その後、ひと息ついて前夜祭へ。

平和大橋から撮った元安川。マジックアワー

前夜祭

会場に着くと知っている人が何人か。見かけるたびに声をかけて挨拶。いつも会う人ばかりというわけでもなくて、あれ、こんなところで!みたいな人もけっこういる。その意外性が楽しい。

前夜祭では前に椅子席、後ろに飲食あれこれ。めっちゃ喉が渇いた状態で到着してしまったので、まさかこのままトーク系がすべて終わるまで飲まず食わず・・?と思ったら、トークの前にとりあえず乾杯するから、まずは何でも飲み物を取って、とのアナウンス。その後の食事も適当なタイミングで促されて、今回のYAPCはほんとに徹頭徹尾ホスピタリティが素晴らしかった。

トークではキャッシュバスターズの話がよかった。もうその頃には会場後方の歓談がけっこう盛り上がっていて、後ろの方に座っていた分ちょっと聞き取りづらかったけど、それもまたYAPC。しっかり聞きたいなら前に行けばいいし、食事やおしゃべりを楽しみたかったら後ろに行けばいいし、どっちも混在しているのがどこか心地よかった。

1分間の超ミニLTみたいな番宣コーナーもTiktok時代のLTぽくてサクサク感が良かった。久しぶりに見る人、初めて見る人、いろいろいる。翌日以降の簡単な予習みたいになっていた。

ケータリングはどれも美味しくて、とくに小さいプラスチックの容器に入ったオードブルみたいなものがどれも気が利いていてよかった。地味だけどシメジと貝柱のローストみたいなもの、あとポテサラがむちゃ美味かった。後からコバケンさんにどんな業者(店)に頼んだのかと聞いたら、会場と同じ施設の1階に入っている店で作っているという話だった。

終了後、会場で会った久しぶりの人やその知り合い(つまり初対面)の人などと軽飲み。近くにあった野菜中心のなんか洒落た飲み屋。しかし終わってみれば一人2,200円。安!

本編

charsbarさん

前日、前夜祭の時点ですでにけっこう飲んでいて、その後さらに飲んだのでなかなかの二日酔い。大体カンファレンスのときって初日に飲みすぎる。というかとくに酒も強くないし。加えて朝は弱いので、オープニングは無理せずスキップしてゆったり会場入り。目指すはcharsbarさんの「2024年冬のPerl」。
fortee.jp

ええ、Perlってもう5.40になるの・・!という驚き。ぼくが最初にPerl入学式で触った頃はたしか5.18とか。その他にもいろいろ話題はあったけど、各種の新しい機能紹介とcharsbarさんによるその機能への評価(というか距離感というか)が何とも面白い。コミッターを育てるためにあえて力のある人が開発のメインに回らず、メンターになるなどの話もなるほど感。

ちなみに、遅れて入ったので最初はよくわからなかったんだけど、charsbarさんはリモート参加だった。昨年の京都以来で久しぶりに会えるーと思っていたけど会えなかった。と、たしか質疑応答でskajiさんも言っていた。

三谷さん

次に見たのは三谷さん(@shohei1913)の「VISAカードの裏側と “手が掛かる” 決済システムの育て方」。

fortee.jp
speakerdeck.com

以前にbuildersconでKyashの人が発表した内容に近いかな・・と思って見ていたら実際けっこう近かった。その重なるところと異なるところの差分が面白かった。

Kyashの人の発表はこれ。
blog.kyash.co

動画もある。
www.youtube.com

三谷さんのは20分という時間もちょうど良かった。ぎゅっと圧縮された濃密な内容がサクッと終わる。結果的にベストトークに選ばれていたし、自分的にもこの時点ではベストトークでした。

やんまーさん

一日を通しての心のベストテン第1位はこれ。「awkでつくってわかる、Webアプリケーション」。
fortee.jp
speakerdeck.com

結論としては「awkでつくるな」なんだけど、硬軟取り混ぜた内容でこれもあっという間の20分。

声が通った発表でスライドも見やすく、質疑応答も活発。ベストトークに投票しました。

アナグラさん

しばらく休憩ののち、さっきと同じ会場でアナグラさんの「rakulangで実装する! RubyVM」。
fortee.jp
speakerdeck.com

アナグラさんはcodehexさんと並んでYAPC沖縄で本当にお世話になった。以前は若い学生さんという雰囲気だったけど、もう大学講師のような落ち着いた語り口。弾さんがちょいちょい口を挟んでくれるのも楽しい。

三谷さんからここまでの3本はどれも似たような軽快さがあった。本当はあんまりがっつりトークをハシゴするのももったいないというか、いずれ動画でも見られるものにわざわざ張り付かんでも・・と思っていたけど、この3本はタイトルだけでも面白そうで外せなかったし、見れて良かった。

ランチセッション

お昼は外もありかと思ったけど、外に出る機会は翌日以降にいくらでもあるし、弁当は人数分用意してあるというのでランチセッションへ。Helpfeelとnoteのトークセッション。

前半はスライドの出力が安定せず大変そうだったけど、最後まで進行しきって内容的にもあまり語られない(ある意味センシティブな)ところにザクザク踏み込んでる感じでよかった。

この内容については以下で公式に記事化されていた。
engineerteam.note.jp

当日の音声もHelpfeelのポッドキャスト「今出川FM」で公開されているようで、そのうちその場で話しきれなかったスピンオフ(アフタートーク)も公開されるらしいです。
blog.notainc.com

スポンサーブース

前回の京都では数えるほどだったスポンサーのブースが一気に増えてスタンプラリーも開催されていました。
blog.yapcjapan.org

ぼくは全然回りきれなかったけど、とりあえずFastly、Helpfeel、SmartHR、ライザップは回りました。このうち、FastlyではオリジナルのかっこいいUSBケーブルが当たり。これは嬉しい。旅行に最適。

その他、この部屋ではもみじ饅頭などの広島銘菓、朝食として配っていたおにぎり、はてながスポンサードしていたオリジナルコーヒーなどの飲食物が充実していて、いろいろいただきました。生もみじとコーヒーの相性は半端なかった!


ノベルティ

今回も力の入ったノベルティが多かった。各社の皆さん、ありがとうございます。中でもカヤックさんの「ステッカー御朱印帳」はまさに顧客が求めていたものという感じで快哉を叫びました。ほんとにこれが欲しかった(笑)。お金出すのであと5冊ほしい。

詳しくはこちらをどうぞ。
techblog.kayac.com

その他だとLayerXさんのストレッチバンド。
tech.layerx.co.jp

この記事内にあるCTO松本さんの動画、ひと目でわかる大胸筋の厚みにトレーニングへの本気を感じる。ちなみにぼくも一応ジムは通っていて、ちょうどこういうストレッチバンドが欲しかった。

筋トレとエンジニアといえば、昨年10月に浅草で開催された大江戸Ruby会議10でのbash0C7さんによるこの発表。未見のエンジニア・トレーニーにはぜひ見ていただきたい。
speakerdeck.com

休憩

朝からここまでノンストップで会場に詰めていたので、一旦抜け出し、ノベルティなど重くなった荷物をすべて宿に持ち帰る。しばらくボケーっと休憩して、身軽になってまた会場へ。

この間にtwadaさんやそんむーさん、弾さんなど目をつけていたトークが軒並み過ぎ去ってしまったけど、自分のペースを取り戻せたのはよかった。とにかく朝イチの二日酔いがきつかった。

まこぴーさん

会場に戻って、まこぴーさんの「PerlでつくるフルスクラッチWebAuthn/パスキー認証」を途中から。
fortee.jp
speakerdeck.com

途中からだからわからないのか、最初から見てもわからないのかはわからないけど、ひたすら繰り出されるデモはとにかくなんだか凄そうで、集中して見ているうちに終わってしまった。パスキー設定、ユーザーとしてようやく使い始めたところだったので、あらためて動画もチェックしたい。

まこぴーさんは前日の1分LTのときにキラキラシールを配っていると言っていたけど、もらいそびれてしまったのが心残りだった。

トークセッション

そのまま大ホールに残って、トークセッションの「平成のエンジニアから令和のエンジニアへの遺言〜技術情報を伝達する手段の変遷〜」。

概要としてはこちら。
blog.yapcjapan.org

企画・登壇の941さんによる振り返りはこちら。
blog.kushii.net

登壇者から見た現在の若者観とか、ぼっちになったらどうする、とか刺さるテーマが沢山。twadaさんが喋っているのは多分初めて見たけど、じっくり考えながらコレという話を狂いなく突き刺して提示してくるそのクオリティがさすがtwadaさんという感じだった。

直也さんはなんといっても声の聞きやすさ。安心感と安定感。何を話しても何一つこぼさずこちらに届けてくるところにtwadaさんとはまた違った意味での経験の厚さを感じさせる。

ぼっちの件。「発表すればいいんだよ」的な結論だった気もするけど、それなりに発表を繰り返してきた自分としては「発表してもぼっちだよ!」とは言いたい(笑)。むしろデフォルトぼっちでしょう。直也さんが「誰でも最初はぼっち」と言っていて、直也さんですらそうなんだ〜と感嘆しつつ、しかし「最初だけじゃないよ!」とも言いたくなる。

はあ、とにかく初めて参加した2013年のYAPC::Asia の懇親会と言ったら。額に入れて飾りたいぐらい悲惨な懇親会だった。おそらく過去最凶につらかった。知り合いがまったくいないわけではなく、見れば挨拶できる人もいるけど、それだけ。会話にはならない。そのまま2時間ぐらい?食事と酒だけが進む感じ。なぜここにいるのか?と湧き上がるように何度も思う、あの感じ。まじで後悔と帰るかどうするかという逡巡がないまぜになったまま会場を何周もウロついた。本当に、何周も。

あのー、そんなんだったら無理せず帰ればいいんじゃない?という感じだけど、そうじゃないんだなあ。ぼっちでも残った方がいいんだよ。知らないものをじっくり観察する、それに触れることに意味がある。知らない空間に身を置くだけで得られるものがある。居心地は良くないよ。だけど、それが嫌だからって帰っちゃったら、また昨日までと同じ日常を繰り返すだけじゃん。それが嫌で飛び出してきたわけで。飛び出せ、飛び出せ。そんな歌もあります。

www.youtube.com

居心地の良いところにずっといちゃ駄目だ。そんなことしたら、居心地の良い場所がどんどん小さくなっていく。飛び出せ、飛び出せ。何かやったら、好きなものも嫌なものも手に入る。車が走れば排気ガスは出るよ。良いことも悪いことも一緒に受け入れるしかない。ぼっちは避けるようなものじゃないよ。全身で浴びながら進むんだよ。そう思わん?

・・ってまあ、実際はそれをやってるうちに、喋れる相手が増えてくるんだけど。

キーノート

何よりこのために来ました、というとほほさんのキーノート。すんごく物腰の柔らかい、威圧感が皆無で、自分をけっして大きく見せようとしないその佇まいに衝撃を受けた。本当にすごい人ってこうなんだよなあ!という感じだった。当たり前のことのように話す一つひとつの話題が、いやいや、それ全然普通じゃないですから(笑)と突っ込みたくなる感じ。

全部終わって、懇親会の撤収をする頃にようやく声をかけることができて少しお話ししたんだけど、そのときの「うん、うん」とすごく親身に話しを聞いてくれる感じ、こういうコミュニケーション、昔あったなあ〜、と懐かしい気持ちになった。人と人との関係にメリットもデメリットも介在しない感じ。ただ目の前に人がいて、その人の話を正面から聞くだけというコミュニケーション。この人は自分の役に立つのか、立たないのかなんて一切関係ない感じ。

とほほさんのすごさを分析はできない。ただ参考にするだけ。こんなふうになんか好きなことを一生懸命やってみよう、と思った。

発表で印象に残ったことはありすぎだけど、ひとつ挙げるなら、とほほさんが自分のサイトで目指しているのは「初心者向けの入門記事」と「熟練者向けのリファレンス」を兼ねる内容にしたいということ、そして「それがなかなか難しい」ということ。

懇親会

先述の地獄の懇親会から10年余り。果たして今回はどうだったかというと、そこそこいろんな人と喋れた。そのうち知らない人は3割、既知の人が7割ぐらい。それでも、会場全体の7〜8割ぐらいは知らない人。10年経ってもこれなんだから、初めのうちはぼっちだなんて当たり前すぎる。

こういう懇親会では飲み食いに一生懸命になるタチで、食事をゆっくり取れるようにとりあえず空いてるテーブルの一角をキープして黙々と食べる、みたいなことが多い。今回もそんなふうにしていたら近くにいた人(知らない人)がけっこう話しかけてくれた。以前はどうだったろう?そんなこと、あんまりなかった気がするな。一体何が違うんだろう。年齢?佇まい?よくわからないが、黙々と食べてるだけなのに話しかけてもらえるなんて、ありがたい。

知ってる人も話しかけてくれる。どこにいたの?と思うところから不意に現れる。嬉しい。しばらく話をする。考えてみると、最近ではもうTwitterとかでも一方的に眺めているだけで、メンションでやり取りとかほとんどしない。ぼくはもうTwitterではパレスチナとかフェミニズムとかLGBTQとか、そういう社会問題ばかり追いかけているし。知り合いとやり取りをするような共通の話題もほとんど投稿していない。だからこういう場でフラットに話せるのがありがたい。

こちらからは数人だけ、知ってる人に話しかけた。しかし会場は知らない人だらけだから、その知ってる人もなかなか見つからない。このときにとほほさんも探したけど(かなり真剣に)、見つからないので「懇親会はパスされたのかな」と思っていた(実際は違った)。なので単に人を見つけるのが下手なだけかもしれない。

全部終わって、上着を着て、最後にとほほさんとも話ができてよかった〜なんて思いながら会場を出る途中でThe Perl Foundationの野崎さんに遭遇して、少しだけ話せた。野崎さんもすごい人なのにぜんぜん威張らない。広い世界を知っている。LTを見てそんな感じがしていたからリラックスして話せた。

会場を出てから、ああそういえば、結局twadaさんとは話せなかったなと気がついた。懇親会で何度か見かけたんだけど、あとで話しかけてみよう、と思っているうちに終わってしまった。もしかしたらライブの出待ちみたいに、出口近くにいたら会えるかなと思ってぼんやりあたりを見回していたら、本当にtwadaさんが出てきたので話しかけた。トークセッションが面白かったこと、自分は以前からそこそこ人前で発表しているけど、壇上では本当に言いたいことをどうしても言い切れないと感じていること、和田さんのあの壇上での落ち着きと的確さはどういうところから生まれるのかみたいな話。

和田さんはこれもまたトークセッションのときのようにじわじわと考えながら答えてくれて、それは控えめだが大胆で、やはりシンプルなものだった。そのまま踏襲することはできないだろうけど、できるかぎり自分に反映させたい。

雑感〜日本人率と男性率

話を閉じる前に、ここまでに入らなかったトピックを2つほど。

YAPCと同様に全国行脚スタイルで毎年開催しているカンファレンスにRubyKaigiがあるけど、それに比べて外国人がほとんど参加していないのが特徴的だなあ、と思った。これは必ずしも悪いことではないかもしれないが、これだけの人数が参加しながらどちらを向いても日本人ばかりというのはやはりこのイベントの特徴だと思える。去年の京都でも、自分が英語で喋った相手はフィンランドから来ていたウクライナ人のアンドリーさんぐらい。

べつに海外から来るとかでなくても、日本で働く外国人は少なくないはずで、そういう人はどうしているのかとちょっと思った。もし日本語ネイティブじゃない人が来るなら、スライドも基本英語で作る必要があるだろう。喋りは日本語OKでも、スライドは英語マスト。たしかVimConfはそんな感じだったような。

もうひとつ、これは一種の課題として捉えられると思うけど、圧倒的な男性率。男、多いな〜!と思った。前夜祭では後ろの方に座っていたんだけど、前に座っている人たちの後頭部がことごとく男性。RubyKaigiですらまだ男性の方が多いと思うけど、それでもYAPCと比べたら遥かに女性が多い。この違いって何なんだろう?

まあ、YAPCの男性率が高いというより、RubyKaigiの女性率(というかジェンダーレス度合い)が他より図抜けて高いということなのかもしれないけど。

以前、RubyKaigiに参加した女性がその感想を述べる中で、参加するとどんな良いことがあるかという話のひとつに「トイレが空いてる」というのを挙げていた。ITカンファレンスでは通常のイベントに比べて女性率が低いから、トイレに並ぶ時間も少なくて済むということ。その発想はなかった。そしてもちろん、それは参加する女性にとっては良いことに違いないが、必ずしも喜ばしい話ではないだろう。もっと女性が(あるいはいわゆる男性に収まらない生き方をしている人が)参加しやすくなった方がいい。トイレの行列はもちろん、並行して解決されなければならないけれど。

終わりに

本編の懇親会の後はもう二次会とかには行かず、おとなしく帰って早めに寝た。翌日には、とほほさんに教えてもらったお好み焼き屋に朝から行かなければいけなかったし、平和記念資料館や原爆ドームにも行かなければいけない。YAPCの本番は終わったが、広島の本番はようやく折り返し地点。ここから先の話は、そのうち雑記ブログの方に書きます。

103

最初にも書いたけど、広島、ほんとに来るのがつらかった。とくに出発の1週間前ぐらい、ひたすら「このまま家でぬくぬく眠っていたい!」と思っていた。なぜわざわざこの寒い中、新幹線で往復8時間もかけて見ず知らずの土地に行かなきゃいけないのか?と自分を呪った。でも来て良かった。延泊時の体験も半端なかった。人生が変わるレベル。YAPCがなかったら来なかった。

スタッフの皆さん、登壇者やスポンサーの皆さん、ありがとうございました。参加者の皆さん、おつかれさまでした。会えて良かった。現場にいたのに会えなかった知人、何人かいました。でも生きてればきっと。またどこかで会いましょう。

YAPC::Japan::Online 2022に参加した

何年ぶり? というほど久しぶりにYAPC::Japanに参加しました。2018年の沖縄、2019年の東京に続いて3回目。YAPC::Asiaを含めると2013年から数えて6回目。

yapcjapan.org

今回はコロナ渦での開催ということもあり、オンライン。これが2,000円ぐらいの破格だったので迷う間もなく申し込みましたが、当初分はきっちり完売したようで何よりでした。

ではざっくり、振り返ります!



DAY1 (2022/03/04)

スタートはたしか18:50で、最初の乾杯が19:25ぐらいでしたが、この日は珍しく日中の仕事がかなり立て込んでしまったのでオープニングには間に合わず、乾杯直前にようやくログイン(Discordに)。YouTube Live見ながら乾杯しながら、その数時間前に届いていたperlbrewを飲みました。

今回はノベルティも飲食物も自宅に宅配される仕組みで、最高でしたね・・感染リスク、ほぼゼロ! ライス入りのスパイシーな丸ごとチキンは大変おいしく、何種類もあったオードブルやシチューもいい感じでした。とくにオードブル(というかおしゃれなツマミ)はビールが進みましたね・・今回はラムネとビールを1本ずつにしたので(ラムネ珍しかったので)、「ビール2本でも良かった・・」と思いましたが、まあ自宅なので普通に常備しているものを2本目として飲みました。

ゲスト対談

最初のゲスト対談、前半は見れなかったですが、それでもすごく良かったです。とくに昔語りをするわけでもなく、今この時の話をしているのに、空気だけはなんだかやけに懐かしい(笑)。うずらさんの喋り回し(というのか)はいつも通りで一気に「YAPCに帰ってきた!」(自分が)という感じになりました。

トーク

トーク編では@dankogaiさんの正規表現トークを聞けたのがよかったです。副音声のPerl入学式チームによる解説もあり、とくに@xtetsujiさんは正規表現や数学に大変詳しいので、その辺の相性も良かった気がします。

www.slideshare.net

懇親会・アンカンファレンス

トーク編の後は懇親会。すでに結構飲んで気分良くなってしまっていたので、最初は「懇親会の前につぶれるんじゃないか・・」とやや不安でしたが、実際はあまり飲みすぎることもなく各アトラクションを堪能しました。たぶん、オフラインだったらもっと周りの勢いに乗って飲んでしまっていたかな・・と。

Perl入学式主催のクイズ大会、充実していてよかったです。ぼくが回答するなら1問につき45分ぐらいほしかったと思いますが(笑)。参加者さん出題者さん、おつかれさまでした。

アンカンファレンス部屋もちょいちょい覗いて、ここでも久しぶりのYAPC感。まったり技術の話をしているのを良い距離感で聞けて、しかもオンラインなので資料も音声も明瞭。途中入退出が他の人の邪魔にならないのも良い感じでした。

ぜんぶ見終わり飲み食い終わり、オフラインだとその後に宿まで帰る手間がありますが、それもなく即自宅なのもオンラインの良いところ。沢山の知らない人たちと直接会って喋って得られる鮮烈な体験や、記憶への焼きつき方は薄れますが、それでもオンラインならではの良さを実感しました。

DAY2 (2022/03/05)

通常、連日開催する系のITカンファレンスだと2日目のスタートは午前からで、前日の懇親会で飲みすぎてキツい・・となりがちですが、この2日目は13:30からのスタートで大変助かりました。

しかし前夜、「あんまり飲まずに済んだ」などと思っていましたがじつは結構な二日酔いになっており(笑)、やはりお祭りだけあって普段に比べたらしっかり飲んでいたんだな・・と。オフラインだったらどうなっていたか・・。

トーク

2日目は結果的に、ずっとA会場のトークを聴いていました。といってもがっつりライブを見るという感じではなくて、リアルタイムの発表と裏トーク会場を行き来しながら自宅のタスク(家事とか)をしたりという感じ。オンラインでなければできない所業。

白方さんのコアモジュールの話はPerlっぽくてとてもよかったです。副音声のてつじさん、@shironekoさんによる話も聞きながら、より楽しめました。
argrath.ub32.org

その裏トーク、野球の解説なんかと違って解説も本編もどっちも「喋り」なので、両方同時に聞くというのはなかなか難しいですが、それでもこういった「メインの発表以外の場」が用意されているのは良い感じだと思いました。トーク後に登壇者自身の補足みたいのが聞けるのもいいですね。

続いてアナグラさんの発表、スタートと同時にピザが届いた(アナグラさん宅に)のはウケました。しかしそれを見越して「ピザ受け取り中」のスライド&コードも用意しているのがさらにすごい(笑)。

ちょうど同じ頃にウチにもピザが到着して、ほんとに来た(笑)と驚きました。宅配ピザなんてもう何年も自分では頼んだことがなかったですが、久しぶりに食べたらかなり満足。「特うまプルコギ」というメニューでした。

ちなみに、ピザハットの「ハット」はHatではなくHutだと初めて知りましたね・・(LTスポンサートークでの小ネタ)。何十年もHatだと思っていましたが。さらにちなみに、このピザハットさんのLTも最初は長めの公式CMが流れ出して、もしかしてこれだけで終わり・・? と思ってしまいましたが、その後の発表も良い雰囲気で結構熱心に聞きました。

話を戻して、アナグラさんの発表は自分にはレベルが高くて、雰囲気でやることすらできなそうなので資料を見て勉強したいと思います。
speakerdeck.com

ベストトークを取ったまかまかさんのトーク、よかったです。40分が短く感じました。あのサクサクしたテンポを保ちつつ、Acme大全の制作に関わる部分では叙情的な展開もあり、しかし湿った感じに染まるわけでもなく懐かしさと乾いたユーモアみたいなものが横溢した良い時間だったと思います。
speakerdeck.com

具体的なところだと、初期の一升瓶ラッパ飲みの表紙イラストのモデルがまかまかさんだったという話があって、「へえ〜!」と思ったり。こういう一つひとつのディテールが刺さるというか。
「この頃は年金問題が流行ったので・・その流行りを取り入れて」とかでもその都度ウケました。あと、「マルチ中毒」の元ネタはわかりましたが(昔出した自分の本の版元が「マルチチュード」とかをやっているところだったので)、「Acme::rion」は元ネタを知らず、わからず・・でも、Discordではそこがかなり盛り上がっていたので結局面白かったですね。

この「元ネタを知らないのに面白い」というのがすごくて、ハイコンテキストなのにコンテキストを共有していない人にもちゃんと面白さが届いているのが不思議です。YAPCのLTだと周りの人たちの反応がヴィヴィッドにわかるので、余計にこういう現象が起きるのかもしれないですが、オンラインでも同様にそれが体験できたのでそれもまた不思議な面白さでした。(発表者に反応が届きづらいのはつらいところですが)

あと、元々は批評系の同人サークルに間借りしていたという話も案外Acme大全の本質に触れるところのように思われ、Acme大全には真面目な批評的な観点の記事も欠かせない要素としてあるので、そういう何というかまかまかさんの批評的な物の見方というか、社会に対する論理的な意思表明のあり方みたいなものがAcme大全に表れているのかもしれないなあ、なんてことを思ったりもしました。

キーノート

本編最後のSongmuさんのキーノート。ご自身の経歴とともにこれまでのPerlYAPCとの関わりを振り返りつつ、現在の仕事を踏まえて今後を見据えるような内容でした。とくに、Launchableに関わる川口さんとの話などは新鮮なところが多くて、この発表の核心になっていると思いました。落ち着いた雰囲気で過去と未来を提示する、まさにキーノートという感じでしたね。
junkyard.song.mu

LT

LTはどれも「さすがYAPCのLT!」という感じでよかったですが、個人的には「Perl詩」(Perl Poem)が大変味わい深くてよかったです。
speakerdeck.com

深さと重さ、軽さと広がり、これらが同居してしまうのが文学の面白さで、紹介されたいくつかのPerl詩はたしかにその域に達していましたね。「プールでひと休み」の意外すぎる作者改題も必見。
たぶん、ベストLTはこれが最後まで競ったのでは? と思いましたが、実際のベストLTになったgugodさんの発表も非常に面白かったので、納得。こちらも笑いあり、頓知あり。考えたこともないことを考える時間でした。
github.com

配信のすごさ

見聞きした発表は以上ですが、今回非常に印象的だったのはとにかくオンライン開催ならではの配信で、そのクオリティがすごかったことですね。登壇者はみな遠隔地からそれぞれ参加していたと思いますが、同じ会場で発表しているのかと思うぐらいスムーズで、これは本当にスタッフの皆さんに脱帽でした。発表者が喋っている表情(動画)が画面右上に入ったり、Twitterハッシュタグ付きツイートが下の方に流れてきたり、という仕掛けもすごい仕上がり、かつ安定感。最後のLTなんてオフラインの方がよほどトラブルがあるのでは(笑)と思うぐらいスムーズな進行で驚きました。

配信については以下に関連ブログがありました。ありがとうございました。
godan09.hatenablog.com

アフターショー

終わってからしばらく裏トークAチャンネルPerl入学式を中心とした感想戦をまったり聴いていたら、いろいろ昔のことを思い出したのと、ちょうど話もひと段落したような感じだったので挙手してスピーカーに入れてもらって、あれこれ感想を述べました。この時間、自分にはとても貴重で、なぜならもうこんなふうに界隈の皆さんと直接声を交わせる機会なんて、次はいつ来るかまったくわからないので。

Perl入学式10周年

そこでも話題に出ましたが、考えてみたらPerl入学式って今年で立ち上げから10周年。すごい! ぼくが初参加したのは2年目の2013年で、趣味のプログラミングを本格的に始めたのもその年から。となると、ぼくの趣味プログラミングも来年で10周年! といっても、ぼくの場合は10年続けたというよりは単に「やめないままそろそろ10年経ってしまいそう」というだけですが・・。

Perl入学式やYAPCでは、これがなければまったく接点がなかったような人たちとの出会いがあり、その人たちは当時から今に至るまでずっと楽しそうに(もちろん見えないところでは大変な苦難も多くあるだろうけど)生き続けていて、それを見ていたら自分もやはり同じように精力的に活動したいと思うのが必然で、結果的にカンファレンスにも参加するし、自分用のプログラムを書いてみたりもするし、という。それで気づいたら10年経ってましたね。

YAPCらしさ

あと、裏トークAチャンネルで感想を話しているときに、「オンラインでもやっぱりYAPCだと思った」という話をしたら、「そのYAPCらしさってなんでしょうね」と聞かれ、ん〜、あの最初っからまったりした感じというか、「水曜どうでしょう」を見てるときみたいな、友達の家で深夜まで飲みながらダラダラ結論の出ない話をしているような心地よさもあれば、逆に技術トークを聴いてるときのあのついていけない感じ、知らない話を体全体で浴び続けるその刺激が「自由」とか「未来」への期待を感じさせたりもするっていうところかなあ・・みたいなことを言いました。

後から思うと、それはそれで全部本当なんだけど、もう少し簡潔に言ったらやっぱり「人」というか、月並みかもしれないですが、その会場(オンラインでも)で出会ったり、面識はないけど勝手に知っているその人を見かけたり、あるいはその勝手に知ってる人が別の有名な人と言葉を交わしている、その何でもないような会話をしばらく近くで聞いてみるとか、そういう一人ひとりの「人」や「場所」、そういう魅力がデカいというか、うわ〜こんな人が、こんな考え方が世の中にはあるのか〜・・という驚き、音もなく、目にも見えないけど明らかに感じる不可逆なショックというか、やっぱりそういう場がもたらす何かっていうのが「YAPCらしさ」なのかなあ、という気もします。(ぜんぜん簡潔じゃなかった!)

いや〜それにしても、おかげでまた一気にプログラミングのモチベーションが高まりました。今までもそんなにモチベーションが落ちていたわけではなく、機会があればいろいろ作ってはいましたが(最近は自分用のブックマークレットばっかりですが)、さらにグッと一段階、気持ちが高まった感じです。自由への志向が強まったというか・・やっぱりプログラミングは自由への道。やりたいこと、やれることの選択肢を増やす道。もっと時間を注ぎたい・・。

なんて落ち着いたところで、今回もこのような機会を実現してくれたスタッフの皆さん、登壇者・参加者・スポンサーの皆さん、ありがとうございました。また会いましょう!

YAPC::Tokyo 2019 に参加しました

2019/01/26(土)に開催されたYAPC::Tokyo 2019に行ってきました。

以下、順不同に(思い浮かべた順に)感想を書いていきます。

本編

tokuhiromさん

いきなり最後ですが、tokuhiromさんのキーノート、とても良かったです。

以前にもtokuhiromさんのトークYAPCで聞いたことがありますが(Perl6の話をしていたような)、そのときの印象と変わらない落ち着いた話しぶり。

過去を振り返る流れでいろんな写真が出てきたのも良かったです。何度か直也さんの名前や写真が出てきたのも共感するところがありました。あのサトちゃんのアイコンじゃない顔写真だったのが良かったな、と。

tokuhiromさんのスライドはこちら。

www.slideshare.net

LINEさんの振り返りブログでも紹介されていました。
engineering.linecorp.com

大仲さん

はてな id:onk さんの「Perl on Rails」。超よかったです。ぼくが先日入社したヴェルクRailsを使っているので、逆方向の関心にもとづいて聞けたというか。

予定より早く終わっちゃったと言っていましたが、その分後半は藤井さん(?)とのかけ合いが第2部みたいになっていて、トクした気分で聞きました。

mixi 萩原さん

ランチセッションのmixi編、なんと21才(でしたっけ)の入社間もない萩原さんのトークも大変聞きやすい丁寧な話しぶりで楽しく聞きました。

speakerdeck.com

mixiさんの振り返りブログはこちら。
medium.com

後述の自分のLTの不安定感を思うと、「この差は一体・・」というぐらいの落ち着きを感じましたが、ん〜、練習量とかが違うのかなあ。

Perlの話も随所に入っていて、最後まで興味が持続しました。「若い人がPerlを使ってるという話をしたら、既存のコミュニティの人たちが喜ぶのでは」という目論見は見事に当たったのではないか、と思います。

深沢千尋さん

深沢さんはぼくの恩師とも言えるPerl入門書の執筆家で、これまでもこのブログでは事あるごとに深沢さんの著書を紹介してきました。

深沢千尋 の検索結果 - the code to rock

今回はその中でもとくに思い入れが深い『すぐわかるオブジェクト指向Perl』を持参して、サインしてもらいました。

前夜祭や懇親会でもいろいろ思いの丈を伝えられて、嬉しかったです。深沢さんの本はある種、革命的に丁寧で、かつその文体もオンリーワンのオリジナリティで、誰も真似できない唯一無二の著者だと思います。

ランチセッションも楽しく聞きました。途中で北野宏明さんの名前が出てきましたが、たまたまぼくが今やっている編集仕事(春頃にWebで公開予定のコチラ採録記事)の関係で北野さんのことを少し調べていたので、不思議な縁だなと思いながら聞いていました。

hitodeさん

この辺りの時間まではずっと下のホールで聞いていましたが、後述のtecklさんの話を聞きたいなと思ったので、上の階に上がってRoom1に入ると、この界隈で知らない人はいないhitodeさんの発表が始まるところでした。

*発表資料はこちら。はてなブログの記事がそのまま資料になっている・・。
blog.sushi.money

WebVRの話ということで、ヘッドマウントディスプレイの実物が回覧されてきたので装着しましたが、これはビックリの面白さでした。上下左右の360度に対して画像・映像が付けられていて、下を見たらフワ〜って布団に寝たhitodeさんが浮き上がってきてこっちにぶつかって、そのまま空に舞い上がっていくという仕掛け(?)が施されていて衝撃でした。ああ、面白かった。

わいとんさん

hitodeさんに続いて、Perl入学式でもその初期からずっとお世話になっているわいとんさんの発表を聞きました。

*スライド&振り返りブログはこちら。

YAPC::tokyo 2019で登壇しました – Wyton

内容的にはぼくには全然難しいんだけど、とにかくデモの進行上想定外のことが起きても、そのつどそれに備えて用意していた第2案、第3案を次々と出してリカバーしていくのが本当、すごいなあ・・と思いました。

それらの準備されていた代案、もちろん使わずに済めばそれに越したことはないわけですが、でも使わざるをえない状況になったことで「ひえ〜、そんなところまで用意してたんだ」と知れるわけで、その意味ではわいとんさんの思考の深さを窺える発表だったのではないかと思います。

tecklさん

シーサー社のtecklさん。最初に知り合ったのはYAPC::Okinawaでぼくの少し前に同じ会場で発表されていたときで、その半年ぐらい後、buildersconの懇親会でゆっくりお話しできて、そのときにはPerlの初級〜中級あたりのあれこれについてお聞きしました。

tecklさんはベテランの貫禄というか、終始ゆったり柔らかい調子で話が進んでいって、リラックスして聞きました。内容的にも俯瞰的な広い見方から年代ごとの細かい差分までいろいろな情報が組み込まれていて、面白かったです。

Songmuさん

LTの時間が迫ってきたので、最後の20分はホールで・・と思ったらSongmuさんの発表でナイス!でした。

*上記のhitodeさんもそうでしたが、今回は全然事前にタイムテーブルを確認してなくて、毎回「次はどうしようかな」と行き当たりばったりに部屋に入っては登壇者を知る感じでした。

いろんなトピックや描写がありましたが、やはり印象に残ったのは失敗経験のところでした。

ぼく自身は、アウトプットすることは必ずしも良いことばかりではなくて、むしろそれは失敗する可能性をゼロから1以上にする、という後戻り不能なスイッチを入れてしまうことだから、いかにそれが良い結果をもたらす可能性が高かったとしても、それを「絶対やるべき」とか「どんどんアウトプットしろ」みたいなことを、少なくとも他人の立場から無責任に言うのは違うかなと思っています。

その失敗によって損害をこうむるのは行為者自身であって、勧めた人は1ミリも影響を受けないわけなので、たとえば上司や同僚のように同じリスクを背負う立場で言うならアリかもしれませんが、結局アウトプットとはそういう失敗と不可分なものとして存在していて、だからこそ紛れもない価値があるのだよな・・なんていうことを、その話を聞きながら考えていました。

他にもいろいろと知っているようで知らないことが語られていて、楽しかったです。ベストトークはSongmuさんに入れました。

www.songmu.jp

広木大地さん

ゲストスピーカーの広木さんの発表も聞きました。場馴れしてらっしゃるのか、すごく聞きやすい話で、スライドも要領を得た見やすい構成でした。

speakerdeck.com

事前に著書の『エンジニアリング組織論への招待』を少し読んでいましたが、まだ全部は読み切れていなくて、でも内容的には重なるところが多いようだったので、相互補完的に聞けたかなと思っています。

予習のようにポッドキャストEMFMも聞いていましたが、せっかくならやっぱりもう少し本を読み込んでからの方がより面白く聞けたかなとも思っています。

とりあえず、続きを読んでからまたスライドを見直してみたいと思います。

yoku0825さん

一瞬、懇親会に飛びますが、今回発表もされた@yoku0825さんとも少しお話ができて嬉しかったです。

yokuさんはぼくがエンジニアのコミュニティに飛び込み始めた超最初の方、Chiba.pmに参加したときに初めてお会いして、その意味ではPerl入学式のサポーター陣に次ぐ長いお付き合いです。

今でも覚えているのは、ぼくがChiba.pmで自己紹介的なLT(Perlを勉強してます、的な)をした後に、yokuさんから「データベースに関心はありますか?」という質問があって、それは場が湧いたのでぼくも嬉しかったんだけど、でもデータベースの勉強なんてまだまだ先の話で、そもそもプログラミング自体いつまで続けられるかわからないよな・・と思って「関心はあるけどまだ先の話」なんて生真面目な回答をした記憶があります。

気がつけばそれから5〜6年経って、ぼくはまだプログラミングをしていて、続けているどころかYAPCに登壇したり、むしろ勢いは増しているようで、データベース、現時点では直接的な必要性はないにせよ、近いうちに勉強できるんじゃないかなという予感もあったので、そういう話をしたりしました。

LT狂騒曲

本編のトークがすべて終わって、tokuhiromさんのキーノートの前にLTが行われました。

LTの参加に至る流れや詳しい発表内容については、別記事にまとめていますので、ぜひどうぞ。

note103.hateblo.jp

そちらの記事に書きそびれたこととしては、採択が決まった後、ネタ自体はだいたい揃っていたのですが、どうしてもオチまでの流れが決まらなくて、結局当日の朝になっても固まらなかったので、通常ならちょっとあり得ないことですが、YAPC本編が始まった後も前夜に泊まっていた浅草橋の宿でそのままずっとスライドを作っていました。

今までも寝坊して午前のトークを聞きそびれるとかはあったのですが、自分のスライドを作るためにオープニングをスルーしたのは初めてでした。

ただ、tokuhiromさんのキーノートの中で「日本人はトークを真面目に見過ぎ。せっかくいろんな人が集まってるんだから、Hallway Trackみたいな感じで適度にパスしたらいい」みたいな話もありましたし、その意味では日本人参加者としては理想的な態度だったのでは、とも・・(ちがうか)

なんとか内容がまとまって、最後に1回通しで練習しました。おそらく通しの練習ができたのはその前も含めて計4回ぐらいだったと思いますが、結局一度も5分には収まらなくて、かえって不安が高まりました。

Songmuさんのトークが終わりに近づいて、そろそろLTか・・と緊張がみなぎってきた頃、発表前にスライドをアップしておくか(&Twitterにもハッシュタグ付きで知らせておくか)、ちょっと迷いました。

事前に公開しておけば、後ろの方でスクリーンをちゃんと見れない人もついてきやすいかな、と思ったので。

でも実際には、会場後方にもモニターが用意されていて、これがあれば大丈夫かなと思ったのと、「このスライドは今この会場に集まっている人たちに優先で見てほしいな」と思ったので、事前の公開はやめました。

ようは、会場にいる人たち、自分と同じ時間・同じ場所を共有している限られた人たちを、えこひいきしようと思ったわけです。

真っ白な夢の中を爆走するように発表し終えて、あらためてその仕上がりを今の頭で振り返ってみると、上記の解題にも書いたとおり、実感的には理想の3割ぐらいの出来でした。その意味では、失敗です。

でも、やらなかった場合に比べたら30倍ぐらいやって良かったと思います。その意味では成功でした。

終わりに

ということで、時系列も内容もめちゃくちゃな感じですが、当日の感想を記してみました。

たった1日の本編ではありましたが、YAPC::Japanシリーズに通底するローカルな手作り感と、伝統ある雰囲気が魅力的にマッチした、良いイベントでした。

最後の id:kfly8 さんによるクロージングもよかったですね。一旦引き受けて、でもやめて、でもまた別の形で借りは返した、みたいな。

ついでの話ですが、ぼく自身も20代半ばから後半ぐらいだったか、自分で自分に呪いをかけて、でもその呪いを自分で解いて、みたいなことがありました。当時のぼくはそれを一生やっつけられないだろうとほとんど諦めていましたが、あるとき村上春樹さんの「七番目の男」という短編(『レキシントンの幽霊』所収)を読んで、「やっぱりこれは自分で落とし前をつけなきゃ駄目なんだ」と思ってなんとかやっつけて、自分を解放できました(スピリチュアルっぽく言いましたが、泥臭いプライベートな話です)。

イベント全体をふと思い返すと、会場でtokuhiromさん、Yappoさん、xaicronさん、弾さんといったオールスターをひと目に見られたのも何だかハッピーな感じでした。

tokuhiromさんの写真の中で、東工大でしたか、芝生でnipotanさんやkazuhoさんも含めてにこやかに語らっているシーンが写って、うわーレジェンドな光景だな〜と勝手に思っていましたが、でも同時に、当時のその人たちからしてみれば、べつに特別なことをしていたわけではなくて、ただその時そこにある面白いものとか、気になることとかを次から次へ全力でやっていただけなんだろうな、とも思いました。言い換えると、周りから特別だと思われるような(レジェンド感のある)ことをしなくても、いま目の前にある超面白そうなものとか、大事だと思えることに本気で取り組むっていうのがやるべきことで、もしそれが一部でも達成できたら、のちのちその瞬間を偶然切り取った写真とかを見た誰かが「これ、伝説的な瞬間だね」って言うみたいな、そういうことなんじゃないかなと。今の自分がtokuhiromさんたちみたいになろうとする必要は全然なくて、自分自身が今やりたいことにちゃんと向かっていけば、それが結果的に未来から見た「スゴイ」になるんじゃないかな、と。そんなことを感じたイベントでもありました。

YAPC::Japan、おそらくこんなにアクセスしやすい会場での開催はそうそうない気もしますが(笑)また参加できることを楽しみにしています。

LT解題 - YAPC::Tokyo 2019

先週土曜に開催されたYAPC::Tokyo 2019でLTをしてきました。

yapcjapan.org

イベント全体の感想は別途まとめる予定ですが、その前に自分の発表について、覚えているうちに書いておきたいと思います。

目次

登壇スライド / 録音

まず発表資料というかスライドはこちら。

speakerdeck.com

手元で録音しておいた音声ファイルもSoundCloudにアップしておきました。

soundcloud.com

声、めっちゃ震えてるんですよね・・(笑)。しかもその震えがなかなか止まらないというか、むしろ後半に行くにしたがって増してくる感じすらあり、軽く絶望を感じながら、でもしょうがないのでそのまま最後までやりました。

たしか沖縄で発表したときも、「うわー、なんか緊張がむしろ増してくるじゃん!」と思ったものですが、つまり「話しているうちに落ち着いてくる」とか、「緊張するのは最初だけ」みたいなことは少なくともぼくの場合はナイようです。

とはいえ、やはりトータル的には、沖縄とどっちが緊張したかと言ったら今回の方が緊張しましたね。

これについてはその後の懇親会でsongmuさんもおっしゃっていましたが、たとえばメイントークって20分とか40分とかあるけど、それを見ているのは「そのトークを見にきている、全体からすれば一部の人たち」に過ぎなくて、でも本編LTってその時点でカンファレンスに残っている人全員が見ているもので、べつにその発表を見たくて集まったというわけじゃない、ある意味予備催眠率ゼロの厳しい目を持った人たちなので、そこで発表する方がよっぽどハードル高い、自分だったらまずメイントーク経験してから本編LTに挑む、みたいな話を聞きました。

いやほんと、心の底から同意です。喩えてみるならメインのトークは自著を書くようなもので、本編LTは雑誌や新聞に寄稿するようなものですね。自著は元々それに関心がある人が買ってくれるけど、雑誌やとくに新聞の場合、自分ではなくその媒体に付いたお客さんなので・・いろいろ厳しい!

プロポーザル / 何を提供できるか

イベント当日は1/26で、LTの締切りは1/22だったのですが、ぼくが申し込んだのはたしか1/21の夜とか、そのぐらいだったと思います。

プロポーザルはこんな感じでした。

# 自走するプログラミング入門者の探し方
 
プログラミングの初心者には、自らモチベーションを高めて学習を進めていける人と、そうではない人がいるようです。その二者を分けるものは何でしょうか?
 
私は長い間、ITとはまったく関係ない仕事をしていましたが、2013年のYAPC::Asiaで行われたPerl入学式に参加したことをきっかけに趣味のプログラミングに没頭するようになり、気がつけばYAPC::Okinawaで登壇を果たし、ついにはIT企業に就職していました。
 
私は冒頭に挙げた二者の中では前者にあたると思いますが、自分にどのような特徴や傾向があったのかと考えると、それは「アウトプットすること」だったように思います。LTでは自分の実体験を軸に、これについて発表したいと思います。

これは手元にあったメモなので、最終的に送った内容そのままではないかもしれないですが、大体こんな感じでした。

なぜこのテーマを選んだのか? と言ったら、一番の理由は、ぼくがYAPCの参加者(おもにエンジニア)に何らかの価値として渡せるものは何かと考えたときに、このネタぐらいしか思い浮かばなかったからでした。

LTで発表する内容は、ぼく一人が満足すればいいカラオケみたいなものではなくて、聞いている人が「ああ、この話を聞いてよかった」と一瞬でも思えるものであるべきでした。でも、ぼくは何か役立つ技術トピックを持っているわけでもありませんし、そもそもそういう知識も経験もありません。

だったら申し込まなければいいのでは、という気もしますが、後述の理由で申し込むこと自体はもう決まっていて、だったらとにかく「自分は持ってるけど他のYAPC参加者が持っていない何か」を探さなきゃ、となって結果的にこの話題に行き着きました。

少なからぬYAPC参加者がこのネタに興味を持つだろうと思った理由は、たとえば id:papix さんのこの記事を読んだからでした。

papix.hatenablog.com

そーだいさんも書かれていました。

soudai.hatenablog.com

こちらの方も時間をかけて考えをまとめてらっしゃいました。

blog.3qe.us

(時系列がバラバラですみません)

それらを読みながら共通して思ったのは、どれもが当然のことながら、プログラミングを「教える側」からの考えであって、「教わる側」が何を考えているのか、とくには、自走する初心者が何を考えているのか、感じているのか、何に突き動かされているのか、という点については、その立場の違いから原理的に(構造的に)触れられないのだな、ということでした。

であれば、プログラミングを「教わる側」のぼくがその欠けたパズルのピースを埋めることには一定の意義があるはずで、それをすれば多少はコミュニティの役に立てるのではないか、喜んでもらえる可能性があるのではないか、と思ったのでした。

応募するまで

少し時間を遡りますが、じつのところ、今回のYAPCでLTをするなんていう気持ちはまったくありませんでした。前夜祭のLTソンで発表する気すらなかったです。

(だって、忙しかったので・・)

でも、YAPCのチケットを買ったとTwitterでつぶやいたその日ぐらいから、 id:magnoliak さんから「LT募集してますよ」という煽り・・ではなくご案内を何度か頂いて、反射的には「ムリです!」という気持ちでいっぱいでしたが、ただお腹の底の底のところで、「んーしかし、magnoliaさんやスタッフの皆さんがこれだけ全力を投じているこのイベントに対して、しかもそのmagnoliaさん本人から応募を勧められているのに、やらないって選択肢があるのかなあ・・いや無理だけど、無理なんだけど、でもなあ・・」という逡巡が、何度押さえつけても戻ってきて、なかなか「やる」とも「やらない」とも決められないまま、とりあえずネタを考えてみておく、という日々を過ごしました。

そして最終的には、上述のとおり締切りの前日になって、「とりあえず」というつもりで一旦プロポーザルを書き始めてみたら思いのほかサラサラ内容がまとまって、それを見ながら「まあ、よく考えたらそもそも一択か」と思って応募に至りました。

この際には、せっかくやるなら前夜祭の方ではなくて、「毒を食らわば皿まで」という言葉もありますように、ぜったい怖すぎてマジやばいとは思いながら、応募するだけなら何も損はしないのだから、と思って本編の方に申し込み、その際に「駄目だったら前夜祭の方で」というオプションを付けておきました。

しかしこの、「応募するだけなら何も損はしないのだから」というのは、「タダより高い物はない」という言葉もありますように、恐ろしい誘い文句でして、それから発表までの間は何度も「あれ、これ万一選ばれたらかなり大変では? え、なんで応募したん? なんで??」という後悔にそれはもうさいなまれたものでした。

なんというか、プロポーザルは持ち前の調子の良さであたかも崇高なネタがすでに用意されているかのように悠然と書いてしまったものの、実際には具体的な内容はまったく固まってなくて、もし選ばれたらその場に見合うだけのガッツリしたものをその瞬間から一気に作らなければならず、いやいや、会社に通いながらそれは無理じゃん、って無責任じゃん、ってかなりマズイ、かなり・・とかなんとか、ただひたすらエネルギーが落ちていく感じでした。

果たして、LTの選考結果が発表されるのはイベント本番の2日前、1/24のお昼すぎでしたが、「LT採択が云々」という件名のメール通知が目に入ると同時に頭の頂点からこめかみに向けてイヤ〜な汗がズワッと降り出してきて、「今は見たくない・・というか落ちていてほしい・・」などと思いながらエイヤと開いたら採択されていて、ひえ〜マズイ! けど嬉しい! けど絶対失敗する! などの恐怖と混乱に包まれながら、でも同時にぼくのプロポーザルを見て期待を感じてくれた運営の人たちの顔も浮かんで、ああそうだ、その人たちの期待に応えなければいけないんだ。と、あちこちぶつかりながらなんとか覚悟を決めました。

構成の練り方

すでにプロポーザルを書いた段階で大きめの方針は決まっていて、どんなトピックを入れるかということも思っていたよりはスムーズにリストアップできたのですが、大変だったのはその筋道を整理することで、いくら考えても話がうまくつながりません。

それもそのはずで、これは上記のpapixさんたちのブログとは逆方向の性質ゆえというか、ぼく自身はプログラミング初心者の視点からものを感じたり言ったりすることはできるけど、テーマはそういう初心者を外側から見るような(すでに技術を習得した側からの)視点で立てられているので、一体どちらの視点を軸にしたらいいのか、またどうすれば双方の視点から語られるトピックを自然に構成できるのか、といったことが難しく、なかなかこれを整理できませんでした。

それでとにかく、言いたいトピックを一回全部入れた上で、それだとまったく時間に収まらなかったのでネタを足し引きしながら本の編集のように構成をまとめて、その「語りの軸足をどちらに置くか」とか、「どうやって自然につなげるか」とかは最後の最後まで後回しにする作戦を取りました。

視点や方針を定めないまま構成なんてできるの? とぼくも今これを書きながら思いましたが、ん〜、でもなんか、できましたね。言っておきたいネタはあって、それをどう見せるかまでは出来てしまうというか。

具体的には、こんな感じでした。

  • タイトル
  • 目次
    • その1
    • その2
    • その3
  • 結論
  • その1
    • 話の前提
      • 勝手に水を飲む馬
    • 自己紹介
      • commmons: schola
      • YAPC::Asia 2013 & Perl入学式
      • MOONGIFT
      • ブログ
  • その2
  • その3
    • アウトプット
    • なぜ?
      • 忘れちゃう
      • 見知らぬ人への手紙
        • メッセージ・イン・ア・ボトル
      • 自慢
      • 恥ずかしさが薄れていく
        • 相対的に
  • 引用
  • 結論(再)

ここでやっているのは、ただひたすら見出し文言の洗練とその入れ替えです。結論を最初の方に持っていったのも、結局最後の1行をコピーして初めの方にペーストする、という作業を見出しだけなら簡単にできるところから思いつきました。

ちなみに、今回の一連の作業はもちろん(というか)Vimでやっていました。沖縄での発表でも紹介しましたが、tagbarというプラグインを使って、こんな感じで左に本文、右に見出しを出しながら内容を詰めていきました。

f:id:note103:20190202210801p:plain

*いま気づきましたが、レイアウト調整の都合もあって本来見出しではないものが右に行ってますね・・文字を大きくしたいものを見出しにしていたので。まあ、暖かく見守って頂ければと・・。

そしてまた、このようにMarkdownファイル1本でスライド資料を作りきれたのは、ゆーすけべーさんによるPerlモジュール App::revealup のおかげでした。

metacpan.org

これがなかったらまず間に合いませんでしたし、このモジュールのおかげでKeynoteを地道にポチポチ調整することもなく、本質的な内容の洗練に集中できました。ゆーすけべーさん、ありがとうございます!

筋を通す / 引用

上で何度か書きました「筋道の通し方」ですが、最終的に思ったのは、「結局ぼくにわかるのは初心者側の話なのだから、初心者としての実感をメインにするしかない」ということ、そしてその上で、「アウトプットしてる人を探せ、なんて何も言ってないのと同じだから、そうではなくて、そのアウトプットからそれを支えるモチベーションを逆算的に見出して、もしそのモチベーションが自走型のそれだったら、その元にいる人は自走するプログラミング入門者だっていう論理なら行けるのでは」ということでした。

やや強引にも思える論理ですが、この準備期間でこれらのトピックを入れるにはその方向しかなかったのですよね・・。

ただ実際には、そこまで込み入った論理を説明するヒマはなかったですし、聞いてくれた人たちもそこまで論理のつながりみたいなものは気にしていなかったかな、とも思っています。

それとは別に、もうひとつ論理のつながりとして気になっていたのは、終盤の森博嗣さんの引用でした。

ぼくが今回絶対入れたいと思っていたのは、2本出した引用のうちとくに最初の方、「才能は決して埋もれない」というもので、これは本当にぼくを支える言葉になっています。といっても、それは何も「ぼくの才能が埋もれるはずがない」とおまじないのように思っているということではなくて、ただ「アピールの仕方にリソースを費やすぐらいなら納得行くまで物を作ろう」という気分を後押しするものとして支えにしている、ということです。

なのですが、この引用も結局、なんの支えになるのかと言ったら「教わる側」であるところのぼくを支えているもので、それを外から見る「教える側」とか、自走するプログラミング入門者を「探す側」の実感とは、ある意味では逆なんですね。なので、ん〜、この超終盤の決め手になるようなところで、教わる側視点の引用を出すのって正直意味わからん・・どうしよう・・と、これはかなり悩みました。

悩みましたが、でもこの引用は(くり返しになりますが)絶対必要で、確かにこれがなければ流れはスッキリして、誰からも突っ込まれないウェルメイドなスライドができたかもしれないんだけど、それって言いかえると「小さくまとまる」みたいなことで、せっかくここまで地獄の釜の蓋を開けるようなことをしてきたのに、最後に日和るんかい、というツッコミの方が勝ちまして、「もう論理とかどうでもいいからとりあえず入れとけ、説明は本番でしろ」みたいに自分に説得される感じで結局入れました。

結果的には、発表では「この言葉はぼくの支えになっていて、関係ないって思われるかもしれないけど今回の発表とめちゃ関係してます」みたいな、説明になってるんだかなってないんだかわからないようなことを言って終わってしまいましたが、その数分後に思ったのは、「自走するプログラミング入門者を何が支えているのかと言ったらたとえばこういう信念だから、知っておいて損はないですよ」みたいな観点から見れば筋はちゃんと通ってたな、ということでした。

ようは、瞬間的な反応とか、評価とか、そういうのはもういらないんだと。「いいね」とか、はてブとか、そういうのはもういいんだと。もちろんそういうのを求めたっていいし、その欲求は自然なものなんだけど、でも逆に、すぐには全く反応が得られなかったとしても、それは作品の価値とは全然関係ないし、気にするに値することじゃないんだと。それが本当に面白いものだったら、必ずいずれ評価されるから、作る人が本当に全力で気にすべきことは、それが本当に面白いものなのかどうかなんだってこと。それだけ。作る人はそのことだけに集中してればいいんだと。めっちゃ頑張ったけど全然評価されませんでした、見向きもされませんでした、なんていうのはまったく気にすることじゃなくて、めっちゃ頑張ったけど全然面白くなりませんでした、ってそっちの方がダメなんだと。そっちを気にしろと。それだけを集中して考えろと。・・そういうことをこの引用を通して伝えられたら良かったのかなと思いましたが、ぼく自身今これを書きながら「ああ、そういうことだったんですね」と思ったので、その時点で言えるはずはなかったですね。

いろいろスッ飛ばしながら、最後のまとめに触れ終わった瞬間の手元のiPhoneのストップウォッチは4分57秒で、あ、間に合った・・と思って「ピッタリ」と思わず言いました。実際はどうだったかわからないですが・・ぼくが締めの御礼を言ったあとにpapixさんのドラが鳴り響いて、ああなんか、すみませんありがとうございました、という感じでした。

練習、練習、練習!

しかしステージに上がる数分前まではけっこう正気だったんですけど、階段を上がる瞬間にはなんだか、真っ白な天国の光の中に入っていくような、意識が薄れていく感じがあって不思議な感覚でした。M-1グランプリの決勝に出る人たちとかってこんな感じなのかな・・とふと思ったり。ステージで何を喋っていたのか、ほとんど覚えていないですね。降りてから、「あれ、坂本さんの話ちゃんとしたっけ?」と本気で不安になったりしました(一応してました)。

ステージではもう、だから体が勝手に動くのに任せていた感じでした。そこで生きてくるのが練習なんでしょうね。スポーツとか楽器とかと同じで。普段練習した分がそのまま本番に影響するのかなと。今回、ぼくはスライドがなんとか形になるまでだいぶ時間がかかって、当日の昼前ぐらいまで浅草橋のホテルでスライドを作っていたので、その後にできた練習は正味3〜4周ぐらいでしたか・・もう少しできると良かったのですけど。

ぼくはパフォーマンスの出来/不出来として目に見えるのは山の頂上みたいなほんのわずかな部分でしかなくて、それを高めるにはひたすら山の裾野を広く盤石にしていくしかないと思っていて、つまりパフォーマンスの完成度を高めたかったらひたすら地味な練習をくり返すしかないと思っていました。それがまあ、結局は足りなかったがゆえのあの結果かな・・とも思っています。いやあ、口が乾いて仕方なかったですね。舌が口の中にひっついて喋れない! なんて経験、初めてだったかもしれません。ああ緊張しました。

緊張といえば、ちょっと聴いている人全員を意識しすぎたかなとも後から思いました。もう少し「こういう人に向けて喋る」という対象を絞って想像しても良かったのかなと。今回のYAPC参加者数は384人とのことですから、本編LTに残っていたのは300人ぐらいでしょうか(わからないですが)。なので、その全員に向けて喋っても大半には伝わらないはずで、だからそうではなく、その中のほんの3〜4人だけを相手に喋る感じだったらもう少しリラックスできたかな・・とも。いやまあ、次にそんな機会があってもそう上手くいくとは到底思えないですが・・でも理想としてはそういうことだったのかなあ、と。

また接続にハマる / バックアップ

前回のYAPC::Okinawaの前夜祭LTでもそうだったのですが、ぼくはいまだにMacとプロジェクターとの接続方法がよくわかっていなくて、今回もLT前の接続確認でかなり手間取ってしまったのですが、ぼくの後ろで次のチェックを待っていた id:moznion さんが「ミラーリングじゃないですか」と不調の理由をさっと指摘してくれた上に「それ、そこをチェックして」などと具体的に教えてくれて、沖縄のときには id:karupanerura さんに近い感じで救ってもらったことを思い出しましたが、本当に助かりました・・ありがとうございます。

ただじつは、その後にもまだ結構深刻なトラブルが待っていて、というのも事前に書き出しておいたスライドのPDFを投映しても一部が消えてしまうんですよね。で、こんなこともあろうかと思って、これまた事前にスライドを上げておいたSpeaker Deckのページにアクセスして颯爽と自分のスライドを開いたのですが、それもダメ!🙅‍♂️

え、ええ〜〜〜・・マジやばい、やっぱりプロジェクター意味わからん、苦手すぎる! と逃げ出したい気持ちになりましたが、じつはもう一つだけバックアップとして用意しておいたのが前述のApp::revealupのローカルサーバ機能で、念のためにこれをターミナルから開きっぱなしにして、ブラウザのタブもそれに合わせてあったのですよね。で、そっちに移動したら何とかまともに見れるようになって、これほんとに半ば無意識のうちにやっていた準備でしたが、もしやってなかったらスタートラインにすら立てなかったわ・・という感じでした。

そんな風にフルタイム・パニックみたいな状況でしたが、周りのスタッフの皆さんは常にスムーズかつ間違いなく発表できるようにすごく丁寧に段取ってくれていて、最後までストレスなく場に臨むことができました。ありがとうございました。

ベストLT賞

ぜんぶ終わって、もう何も残ってません・・灰になりました・・という感じで同じくLTに登壇された id:xtetsuji さんと並んで会場最前列に座ってしばらくしてから、ベストLT賞なるものがあることを初めて知りました。で、あ、これもしかしたら獲るかもな・・と思いましたね。自信があったわけでもなければ、誰かからそう言われたわけでもなくて、むしろやってるときは「会場、反応ないな!」と思っていたぐらいでしたが、なにか音もなく届いた手応え。みたいなものを感じていたんですよね。その何というか、一瞬の淡い期待感みたいなのが心地よかったです。もし事前にそういう賞があるとわかっていたら、狙って登壇していたかもしれないので、狙わずに発表しきって、かつそういう手応えを感じられたのが良かったなと。

(結果的にはそれはmoznionさんが受賞されて、その発表内容としても、またその後のsongmuさんのベストトーク賞への流れという意味でも、まさにベストなLT賞だったと思いました)

ご感想

終わってから、いくつか嬉しい反応を頂きました。

tomcha.hatenablog.jp

blog.3qe.us

sorehaedamame.hatenablog.com

nayuta-1999.hatenablog.com

morichan.qrunch.io

*他にもあったかもしれないですが、もし見つけたら追加します。

ありがとうございました。やって良かったです。

ちなみに、スライド上の文字と口頭の内容をずらすというのは意識的にやっていました。紙芝居じゃないのだから読み上げるのはやめよう、と。昔大学で「なんて退屈な講義なんだ」と思ったものは大抵、教科書をただ読み上げるだけのものでした。

でもそれに気づいてもらえるなんて! 伝わるものですね・・。

それからsongmuさん、これは以下の記事にも書きましたが、

note103.hateblo.jp

ぼくは勝手にsongmuさんに煽られ・・じゃなくて導かれるように情報処理の勉強をしてみたり、そうやって一歩一歩進んできた感覚を持っていたので、うわ、直接評価された! って思ってすごい嬉しかったです。

終わりに

本当はYAPC::Tokyo全体の感想の中にこのLT解題を入れるつもりでしたが、ご覧のとおり、だいぶ長くなったので分けました。会全体については、また時間を見つけてアップしたいと思っています。

(ドラフトはほぼできてるので、何ヶ月も先とかにはならないと思います・・)

今回のLTに採択されたときはこんなツイートをしましたが、

果たしてスタッフの皆さん、どうでしたでしょうか・・あまりみっともいい感じではなかったですが、自分的にはやり切りました。スライドにも書きましたが、ぼくは本当は恥ずかしい思いをするのも失敗するのもみっともないのも超!イヤだし、おそらく今後もずっとイヤですが、それを上回る「やるしかない」とか「これをやったら今まで見たことない風景を見られるはず」みたいなモチベーションでやらせて頂きました。恥ずかしさや不安をゼロにすることは決してできませんが、小さくすることはできるな、と今回の発表で自分に教えられました。やりたいことが大きくなるほど、それらは相対的に小さくなります。これをステップに、またこういうことに挑戦したいと思っています。ありがとうございました。

VimConf 2018と私

2018/11/24(土)、VimConf 2018に行ってきました。

VimConf 2018

最初に2行で自己紹介をしておくと、ぼくは先月まではこういうことをやっていて、
note103.hatenablog.com

今月からはこういうことをしています。
note103.hatenablog.com

1行で言い換えると、非エンジニアの元・フリー編集者&現・IT企業のカスタマーサポートです。

では本題です。

本編

会場は秋葉原アキバホールというところで、スタートは10時だったので家を出たのは8時半ぐらい。秋葉原駅には予定どおり9時半過ぎに着いて、事前に地図で確認したところでは5分程度で会場に着く予定だったものの、普段あまり使わない駅なのとiPhone6sのGoogleマップが重くてかえって道に迷うことに・・。

その後、なんとか会場付近まで来てからも似たようなビルが多くて、どこを向いても「アキバホール」の文字が見つからず、また土曜のオフィス街ということもあってか全然人影がなく、普通ならそのあたりにフラフラしていそうな参加者っぽい人たちも見当たらないので、「もしかして、まったく別の場所にいるのかも・・?」とかなり不安になりましたが、あんまり時間もなかったのでGoogleマップはもう無視してカンでそれっぽいビルに入ったら正解でようやく受付を発見。

ノベルティ&Tシャツを受け取って開演10分前ぐらいに会場に入ったら階段状の客席にはワーッと人がいて、さっきまでの外の静けさとは好対照。皆さんもっと早い時間からいらしてたんですね・・30分早く来ていれば迷わなかったのかも。遅刻した人も少ない印象でした。

客席脇の廊下スペースにはタリーズのコーヒー&紅茶が完備されていて、そんなの想像もしていなかったのでサプライズ&堪能しました。

そしてオープニング、いきなり全編英語でまたびっくり。この英語主体の進行は最後まで続いて、すごく新鮮であるとともに嬉しい感じもしましたね。ああ、世界につながった場所にいるんだな、しかも当たり前にそうなんだな、と。日本のカンファレンスに海外ゲストを呼んでいるのではなくて、国際カンファレンスを日本でやってるんだな、と。

キーノート

mattnさん

最初のキーノートはmattnさんで、vim-jpの紹介を中心にVimの前提的・全般的なことから将来的・技術的なことまで。ある意味で、この後のBramさんとこのmattnさんのトークが全編を通して一番ビギナー向けというか、どのレベルのユーザーにとっても身近に感じられるバランスの良い内容だったように思いました。

vim-jpがどういう歩みを辿っていて、今はどういう働きをしていて、それに対してぼくらユーザーはどう関わっていけるのか、ということは今までも「調べればわかる」状態だったかもしれないですが、この発表を見てスイスイ理解できたようで、ぼくにとってはこちらと午後イチのdaisuzuさんの発表が今回のカンファレンスで自分にぴったりフィットしたなという印象でした。

Bramさん

続いてBramさんのキーノート。Bramさんは以前にYouTubeで見た講演の動画で、聞きやすい英語を喋っている印象があったので、

www.youtube.com

そのまま聞くか、翻訳レシーバーを使うか一瞬迷いましたが、きちんと意味を拾うことを優先してレシーバーで聞きました。通訳さん、とてもいい感じでしたね。正直、専門的な部分については把握しきれなかったですが、とはいえまったく追いきれないというほどでもなく、長さ的にも聞いていて全然疲れないぐらいですっきり終わって、質疑応答も含めて楽しみました。

その質疑応答、これまでに参加したITカンファレンスだと挙手した人の席までスタッフがマイクを持って走る、みたいな運用が多かったですが、このVimConfでは会場前方まで質問者が来て、列状に並んで順に質問する、みたいになっていてこれも新鮮でした。

この方式なら、質問者は登壇者と近い場所で話せるし、周りとしても質問者があと何人いるのか、とかがわかりやすくていいなと思いました。2階席まであるような大ホールだと難しいかもしれないですが、スタッフのリソースを最小限にできるという意味でもけっこう良いなと。

昼食

その後の昼食では、今半のすき焼き弁当とベジタリアン向けの野菜弁当の2種類が用意されていました。野菜弁当にもかなり惹かれましたが、今半のすき焼き弁当なんて次にいつ食べられるかわからないので、そちらに。もしかしたらチケット代の大半はこれに行ったのではと思うほど贅沢な内容でしたね。ぼくは普段は少食なので、お弁当ってけっこう残すことが多いのですが*1、今回は完食しました。

午後

daisuzuさん

午後イチは上にもちらっと書いたdaisuzuさんの "Migrating plugins to standard features."

https://vimconf.org/2018/sessions/#link-daisuzu

膨大なプラグインとともにあったVim環境から、最小限のプラグインと最大限の標準機能を活かした新たなVim環境への移行の試み、といった感じでしょうか。これはすごく共感できる指向というか、結局プラグインって増やすのも減らすのも効率化を追求するという意味では同じというか、しかし減らす方ではさらにそこに「標準機能縛り」みたいなある種のゲーム性が加わって面白そうだなあ、と思いました。とくに、Ctrl+xを用いたキー操作はあまり(というかタイプミスのとき以外は)使ったことがなかったので、そっちの世界にも足を踏み入れてみたい気持ちが高まりました。

Alisueさん

他に個人的にヒットしたものとしては、Alisueさんの "Effective Modern Vim scripting" がありました。

https://vimconf.org/2018/sessions/#link-lambdalisue

わかりやすく3ステップに分けて、ごく初歩的なVim scriptの書き方から非同期で動く本格的なものまでひと息に解説するという内容でしたが、ぼくもVim scriptで自作プラグインを作ることにはすごく興味があって、実際以前にちょっとしたものを作ったことはあったのですが(それはまだブログに書いてなかったのでいずれ・・)、でも普段から実際にVim scriptを書いている人がそういう方法についてまとめてくれることってなかなかナイので(書籍はすごいのがありますが)、これはあらためてじっくり見直しながら、手を動かして試してみたいなと思っています。

とくに、今までvital.vimというプラグインがあること自体は知っていたものの、それが何をやるのか、というのはどうしてもイメージできなかったのですが、この発表を通して「なるほど」という感じでうっすらイメージできた気がするので、次にプラグインを書くときが来たら、vital.vimを使うことがひとつの目標になりそうです。

ちなみに、同じAlisueさんが懇親会で紹介していたfila.vimにもすごく興味を持ちました。

github.com

ぼくは今やっている編集仕事でも趣味のプログラミングでも、Shougoさんのvimfiler.vimを頻用していて、こういったものが無くなるのは本当に困るので、こちらの動向も注視したいなと。

ついでに言うと、今年の3月にYAPC::Okinawaで発表した中の以下のスクリーンショット

f:id:note103:20181125231912p:plain
https://speakerdeck.com/note103/the-non-programmers-programming-techniques?slide=12

この左のサイドバーになっているのがvimfiler.vimですね。さらに付け加えると、そのIDE風の構成はmattnさんの以下のSoftware Design誌の記事を見て真似したものです。(という話もそのスライドの中で触れています)

軽い話

本編最後の発表は、Linda_ppさんでした。導入のところで「もう皆さんお疲れでしょうから、最後は軽い話をしますので。ゆったり聞いてください」みたいなことを言っていたので一瞬気を抜きましたが、それからものすごい速さで深遠かつ先端的な話をなさっていたようで、ふんわり聞いてしまいました。とはいえ、WebAssemblyについては少し前にbuildersconで見た以下の発表で興味の下地はできていたので、

https://builderscon.io/tokyo/2018/session/5212a273-a1b8-4458-9ce6-621d136b24f1builderscon.io

まったくワケわからん、というほどでもなく。図説なども丁寧に重ねてあったので、こちらもあらためて資料など出たら見直してみたいと思っています。

幸運

会の終了後、じつはというか幸運にもというか、mattnさんがすごく近いところに座っていたので、自作の英語練習ツールでmattnさんのchoを使っていることについて、実際にターミナルで動いているところを見てもらいながら、少しだけ話すことができました。

choはこういったもので、

github.com

それを使ったぼくのはこういったものです。

github.com

このうち、以下の動画の7秒目以降で出てくるセレクタのところでchoを使っています。

www.youtube.com

そして上の方で挙げたIDE風の画面分割についても、mattnさんの記事がすごく参考になった旨を伝えることができました。たぶん懇親会の時間だけだったらここまでいろいろ話すことはできなかったと思うので、座った場所が近かったというのは本当にラッキーだったな〜・・と思っています。

mattnさんはスタッフ業もあってお忙しかったと思いますが、同じモニターを見ながら丁寧に話を聞いてくださって、嬉しかったです。

懇親会

懇親会は同じフロア(5階)の、ホールから少し歩いた別会場で行われました。料理も飲み物もサービスも適度な具合で心地よかったです。これまでにもこうした懇親会には何度か参加してきましたが、この過小でも過大でもないバランスってなかなか実現しづらいというか、どうしても料理が足りなくなったり、逆に多すぎて余ってしまったり、あるいは給仕さんが雑な人だったり・・とコントロールが難しいところが多々あると思うのですが、そういうストレスを全然感じなかったです。

初めの方でスポンサーセッションなどの発表があったのもよかったですね。終始歓談タイムだけだと、ちょっとアイスブレイクしづらかったりすると思いますが、同じものを皆でじーっと見る時間があったことで、イベントが柔らかく始まった印象を持ちました。

しかし今回の懇親会、これはいつもそうと言えばそうなのですが、ぼくには知り合いと言える人が見事にまったくいなくて、ぼくはこれまでもYAPCPerl入学式Perlおよびプログラミング自体の入門者を対象にした無料のプログラミング講座)に何度も参加したり、今年はそれに加えてbuilderscon大江戸Ruby会議にも行ったり、それなりにいろんなコミュニティに顔を出してきたと思うのですが、それでも結局まだまだ知らない人ばっかりなんだな・・と思い知らされました。

daisuzuさん

でも、そこでふと気がついたのは、向こうは知らなくてもこっちは知ってる、と言える相手がけっして少なくないということで、だったらそういう相手に話しかけて、面識を持てばいいじゃないかと思って、さっそく前述のdaisuzuさんを見つけて感想を伝えました。お話ししてみると、思いがけず共通の知人や話題があったり(daisuzuさんの発表ではPerlのコードが出てきたのでその話とか)、ちょうどそのときに一緒にいらっしゃった人たちも交えて楽しく話せたりして、この積極方針は思っていた以上に有益なものでした。

松田明さん

その後、Asakusa.rbの松田明さんを見かけたので、先日の大江戸、超面白かったです!と伝えました。あとはぼくが今月入社した会社ではRailsを使っているので、そういう話も。ちょっとだけ挨拶、のつもりがこちらも思いがけず話題がいくつも浮かんできて、いろいろお話しすることができました。そして来年のRubyKaigi熱も高まりました・・なんとか参加したい!!

rubykaigi.org

Bramさん

それからしばらくの間は、食事やドリンクを頂いてまったりしていましたが、ふと会場の端の方を見ると、Bramさんの周りには思ったより人がいないことがわかりました。何人かと話してはいるものの、とても辿りつけない、というほどではないな・・と。

じつは今回は、Bramさんと話さなきゃ!みたいな気持ちはあまり持っていませんでした。なぜなら、ぼくよりずっとそれに相応しい人が他にたくさんいると思っていましたし、ぼく程度のVim歴で対面したところで、とくにBramさんに提供できる価値もないだろう、と思ったからです。でも、考えてみたら本人と直接話せる機会なんてもう二度とないかもしれないし、一応ぼくも毎日Vimを使って仕事も趣味もやっているし(このブログももちろんVimで書いています)、こうなったら当たって砕けろ、邪魔と思われてもいいから行ってみよう!と勢いをつけて話しかけました。

英語は普段のとおりまったく出てこなかったですが、名前を言ってから「ぼくは編集者で、プログラマーではないですがいつもVimを使っています。日本語の編集という仕事でもVimはとてもヘルプフルです。ぼくはVimでddと打つのが好きです。Vimは行単位や段落単位での作業に向いていて、編集という仕事ではまさにそれが役立つのです。ぼくはあなたにとにかく感謝を伝えたいと思っていました。どうもありがとう」みたいなことを言いました。

このうち、とくに「行単位」とか「段落で作業する」みたいなことはまったく英語の表現が浮かばなかったのですが、すぐそばにいたスピーカーの大倉雅史さんがササッと通訳をしてくれて、Bramさんも「ああ、そうなんだね」とか、「ああ、ddね」みたいな感じでリラックスして聞いてくれたようでした。大倉さんには本当に感謝しています。

暗黒美無王(Shougo)さん

その後、こちらもいつも勝手にお世話になっている暗黒美無王ことShougoさんに話しかけました。Shougoさんの周りにはそれこそ人が途切れなくて、その話も常に盛り上がっているようだったので、どうしようかけっこう迷いましたが、しかしこれもやっぱりなかなか無い機会だから、とその話をちょっと割るような感じで「少しだけ今話してもいいですか」と言うと「もちろん、どうぞどうぞ」という感じでShougoさんもお相手の方も一旦それまでの話を止めてくれて、それからしばらくShougoさんのプラグインをいかに使っているか、助けられているかみたいなことを伝えました。

ぼくはあまりShougoさんのプロダクトの良いユーザーとは言えなくて、というのは最近のものよりも以前に作っていた(現在はアクティブな開発はストップしている)プラグインの方をまだ使っているので、その点についてはご本人の前でアピールしづらい気もしましたが、それでもそうした作品の恩恵を大いに受けていることは確かで、そのことを直接伝えられたのは嬉しいことでした。

kaoriyaさん

懇親会もそろそろ終わりかな、という雰囲気になってきたとき、会場の出口付近にkaoriyaさんがいらっしゃることに気づきました。kaoriyaさんは今回のイベント中、どの段階でもつねにあちらへ、こちらへと走り回っていて、とても話しかけるタイミングはないな・・と思っていましたが、そのときはしん、とした場所で知り合いの方と和やかに喋っていて、今だったら話しやすいかなと思って、声をかけました。

じつはkaoriyaさんとは数ヶ月前のbuildersconの終演直後、フォトブースのコーナーで初めてお会いして、そのときは本当に一瞬でしたが、5年前に書籍『実践Vim』のプレゼント企画で本を送ってもらったことの御礼を伝えていました。

2013年という年は、ぼくにとって「プログラミング元年」みたいな年でした。ぼくはその数年前から「あ〜、プログラミングやりたい、できるようになりたい!」と思いながら、でもどうしても中途半端というか、RubyJavaScriptの入門書を何冊も買ったり、有料のちょっとしたオンライン講座を受けてみたりしたものの長続きしなくて、毎回よくわからないまま自然消滅、ハローワールドってなんなん?何が嬉しいのん?みたいな、やっぱり向いてないわ自分、挫折・・みたいなことの連続だったのが、この年の後半になっていきなりスイッチが入ったというか、継続する方向にモチベーションが切り替わったのでした。

具体的には、この年の9月初旬、前述のPerl入学式に通い始め、同月後半には神奈川で行われたYAPC::Asiaにそれこそ知り合いゼロの状態で飛び込みました。

このPerl入学式およびYAPCへの参加はぼくにとって非常に大きな出来事で、その後にぼくがプログラミングを続けてこられたのは、これらのイベントやコミュニティの人たちがいてくれたおかげだと思っています。

では、なぜそのような勉強会やイベントに、まったく畑違いのぼくが無謀にも飛び込む気になったのかと言えば、その一番のきっかけは上記の『実践Vim』にあったと思います。ぼくはそれまでもVimを何度も試しては「ダメだ、難しすぎる!」と思っていつものように挫折しかけていましたが、なぜかノーマルモードの不思議な魅力には取り憑かれたままで、Vimを諦めることもできず、かといって使うこともできない、という半端な状態を漂っていました。

そんなときにkaoriyaさんの以下のブログを読んで*2

www.kaoriya.net

本当に「何を思って」という感じなのですが、応募したのですよね、プレゼントに。どう考えても想定読者には入っていなかったと思うのですが・・。

しかし結果はなんと、当選。倍率は25%。kaoriyaさんからは、

異業種からの参入であることを重視。どういう視点で見るのかに興味があった。*3

とのこと。いやあ、異業種でよかった・・(笑)。

そして書いたレビューがこちら。

note103.hatenablog.com

この記事は、その後のぼくのプログラミングへの関わり方を大きく左右する分岐点になったと思います。というのは、第一にはこのレビューを書くために同書を必死になって全部読んだこと。どれだけわからない内容が並んでいたとしても、さすがに全ページに目を通せばそれなりに知識は定着するもので、しかもレビューを書かなくてはならないのでとにかく何でも良いから吸収しなければ!という姿勢で読むことになって、もう一旦そういうことをやると不可逆というか、だからこのレビューを書き終えた頃には、それまでの

ダメだ、Vim難しすぎる!もうやめた!

という感じだったのが、

ダメだ、Vim難しすぎる!・・けど、もう少しやってみるか

みたいになっていたと思います。

そして「分岐点」という意味はもうひとつあって、それはその記事に付いたはてなスターが示しています。見て頂けたらおわかりになると思いますが、thincaさんやh_eastさんをはじめとするVim界の人たちがスターを付けてくれて、ブックマークの方にも好意的なコメントをもらいました。

これがもう、すごーーーーく嬉しかったのです。そんなこと、それまで一度もなかったですから。それまでのぼくのブログと言ったら、知り合いか、編集の仕事絡みで見てくれる人はいても、プログラマーの人たちから反応をもらうことなんてまずないし、ましてや好評価をもらうなんてありえないことでした。

それが、このレビュー記事ではそういうプログラマーの人たちから「ウェルカム!」と言われたような感じがして、実際にはその後も技術コミュニティに関わる過程ではそれなりの苦労をするわけですが*4、でもそれにしても、やはりこの記事をきっかけに、本格的なチャレンジを始めたからこそ体験できたことなのだと思います。

この記事を公開した数日後、ぼくは上記のPerl入学式に初めて参加して、

note103.hatenablog.com

その2週間後に初めてYAPCに参加して、

note103.hatenablog.com

気がつけば、今年の春のYAPCにスピーカーとして登壇していました。

yapcjapan.org
30d.jp
note103.hateblo.jp

そして今月からは、これまで続けてきたフリーランスの編集者の活動を収束して、ITの会社に勤めはじめています。

www.velc.co.jp

会社の事業は受託開発と自社サービスが半々ぐらいで、ぼくはその自社サービスのカスタマーサポート*5を担当することになっています(今は絶賛トレーニング中)。プログラミングを生業とするわけではないですが、それでもプログラミングをやってきたからわかること、想像できることは多くて、そういうことに関心がなかったらちょっと対応できなかったな、と思えることがすでにたくさんあります。

今までやってきた編集の仕事もすごくクリエイティブで、とくに世界的に活躍するクリエイターさんたちとの仕事は自分がどこまでも高く引っ張り上げられていくような、ロケットで見知らぬ場所まで飛ばされてしまうような面白みに満ちていましたが、でも一方で、ぼくが理想とするような仕事や生活の環境をそこで作っていくのはなかなか大変で、その意味で今の会社に入れたことは、理想の人生に大きく近づいたということだと思っています。

だいぶ話が広がってしまいましたが(そして一気に戻しますが)、VimConfの懇親会の最後に、会場の出口近くでkaoriyaさんと握手をしながら、あの『実践Vim』がなかったらまだ挫折をくり返していたかもしれないこと、そしてあのレビュー記事が最初の成功体験になって今があるのだということを伝えられて、本当に嬉しかったです。

その後、kaoriyaさんからは以下のようなツイートをしてもらいました。

ありがとうございます!!!

終わりに

帰り道、まだ御礼を言えていないVimmerがたくさんいるな、と思いました。たとえば、会場にはいたはずの(必ずどこかですれ違っていたはずの)thincaさん、それから今回はいらしてなかったかもしれないですが、open-browser.vimやcaw.vimで毎日のようにお世話になっているtyruさん、そしてこちらも毎日めちゃくちゃ使っているVim-EasyMotionのhaya14busaさん、あるいはprevim*6の作者であり、現在は書店向けの先進的なサービス 「リトルスタッフ」の事業に邁進してらっしゃるkannokannoさん。他にもまだまだ、そうやってぼくの方で勝手に知っている人たちがいると思います。

でも、また来年VimConfが開催されたら、そういった方々に会えるチャンスもあるかもしれないですね。そのときまでに、ぼくも何か貢献できるよう、自分なりに準備をしておきたいと思います。

VimConf 2018を実現してくださったスタッフの皆さん、登壇者の皆さん、参加者の皆さん、スポンサーの皆さん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!

*1:家や職場のように取っておける場合は後で残りを食べます。

*2:どうしてその記事に行き着いたのかと言うと、たぶん2011年の同ブログで書かれていた「Vim昔話」シリーズがすごく面白くて、それを読み漁るかたわら新着記事も読んでいたのだと思います。同シリーズは本当に名文!

*3:「実践Vim」レビュワー選考結果発表 — KaoriYa

*4:受け入れられなかった、とかではなくて自分自身の固定観念やカルチャーショックを乗り越える大変さ、みたいなものだと思います。

*5:電話や対面によるものではなく、Intercomを利用したチャットサポート。

*6:直近の編集仕事でもめちゃめちゃ使いました。

YAPC::Okinawa 2018 の思い出

もう半年前になってしまいますが、3月に行われたYAPC::Okinawa 2018 ONNASONについて。

yapcjapan.org

本イベントについては、すでに2本の記事を書きましたが、

YAPC::Okinawa 2018 ONNASONの記録 - the code to rock
ノンプログラマーのプログラミング活用法 - the code to rock

まだもう1本分、これも書いておかないと・・と思っていたトピックがいくつかあったので、少し時間ができたこのタイミングで一気に書いておきたいと思います。

目次

前夜祭

まずは本番前日の前夜祭。国際通りに面したビルの5階、結婚式の2次会などもできそうなステキ・スペースで開催されました。

当日の様子はこの辺りから。
30d.jp

この前夜祭、リジェクトコン*1とその後のLTから構成されていて、ぼくは翌日の本編で発表する予定だったので、この日はただボーッと見ているだけのお客さんとして参加するつもりだったのですが、会場に着いてみると思っていた以上に知らない人が多い・・時々、Perl入学式つながりで知っている人や、過去のYAPCでお会いした人とは挨拶できましたが、でもやっぱり基本、知らない人ばかり。

んー、これ、このままじー・・っと2時間ぐらいチビチビお酒を飲みながらここで過ごすの、ちょっとつらいかも・・? と思い、急遽ホテルまでMacを取りに戻って、LTに参加させてもらうことにしました。
LTに参加することで、自分が誰なのか、少なからぬ人に周知できると思ったし、時間を持て余すこともなくなるし、と。

しかし、この中途半端な野心がその後のスタッフの皆さんの仕事を増やすことになってしまい・・。というのも、いざLTとなって接続を始めたらなかなかモニターにスライドが反映されない。押しても引いてもまったく駄目。それも、順番が最後から2番めぐらいだったので会場の皆さんは注目しているし、うわー、ミスった、すみません! もうやめます! ゴメンナサイ、じゃあ次の方! とか泣きそうになりながらその場で撤退宣言をくり返していたのですが、現場を仕切っていた id:codehex さんをはじめスタッフの皆さんが「いや、大丈夫ですよ」と優しく&粘り強くセッティングを手伝ってくれて、最後には id:karupanerura さんが「これでどうだ」とセットしてくれたのが届いてようやくスタート。

いやあ・・本当に皆さんの胆力というか、タフさ、落ち着き、頼りがい、どれを取っても見習いたいです・・ありがとうございました。とくに codehex さんの「大丈夫ですっ」には救われました。

後から思いましたが、ぼくが翌日の本編で、そこそこリラックスして、緊張しすぎずに発表できたのは、この前夜祭でもうこれ以上ないぐらいのテンパりを体験したからだと思っています。いくら何が起きるかわからない本編だとしても、上記以上の失敗というか、焦った雰囲気はもうナイだろう、と思ったので。実際、本編の方でもスタッフの皆さんにたくさん助けて頂いて、まったく滞りなく進めることができました。

さて、そんな経緯で行ったLTですが、ぼくがその会場で何かしら見るに足る、価値と言えるものを提供できるとしたら、とりあえず自動文字起こしの実演ぐらいかな・・と思ってそれをやりました*2。実際には、そのようにして起こした文字をVimからtextlintを呼び出して自動校正する、というところまでやりたかったのですが、これはtextlintが動かない・・というのを2〜3回繰り返したところで時間切れ。

まあ、文字起こしの方ではけっこう良い反応を頂いて、最後の時間切れのところでも「ああ〜、残念〜!」という雰囲気を会場で一体になって醸せた感じもするので、自分としてはOKというか、充分な成果だったかなと思っています。

ちなみに、そのときにtextlintでやりたかったのはこんな感じのことでした。(当日使う予定だったテキストで再現)

youtu.be

このワーッと滝のように流れていくのが、純粋に面白いなって。それを最後に見てもらったら最初のドタバタもチャラにできるかな・・と思っていましたが、そうも行かなかったのが自分らしいなと思っております。*3

あらためまして、当日サポートしてくださったスタッフの皆さん、そして声を上げて反応してくれた会場の皆さん、ありがとうございました。

当日(私信)

その翌日、本編の出来事に関しては上記2本のブログでだいぶ書いていますが、これまでに書きそびれたことをひとつだけ。というのは、じつはぼくの発表会場では、以前にPerl入学式のサポーターとしてご活躍&サポーターチャットの方でも時々やり取りしていた id:gomayumax さんが部屋付きのスタッフ業をされていて、でもぼくは初対面だったのでそれがgomaさんだとは結局最後まで気づかなかったんですよね〜・・。まったくまともな挨拶もせず、失礼しました・・😅また次の機会に。

ハッカソン

そのさらに翌日、3/4にはPerlハッカーの@skajiさんの呼びかけで、以下のハッカソンが催されました。
connpass.com

ぼくはもちろん(というか)こういった会にはこれまで縁がなかったのですが、今回はスピーカーでしたし、エイヤという感じで申し込みまして、参加してきました。

前日の本編後の懇親会(というか飲み会)にけっこう遅くまで出ていたので、この日は二日酔いがけっこうキツかったですね・・。

しかしその懇親会で、「いやー、明日ハッカンソン行くんですけど、やることなくて・・とりあえず雰囲気だけ味わいに行きます」みたいなことを言っていたら、 @charsbarさんから「そんなこと言わないで〜。何かできることあるんじゃないの?」とニコニコしながら突っ込まれてしまい、んー、たしかに。何かあるかなあ・・できること・・と考えていましたが、とりあえず編集者を名乗ってはいるので、じゃあPerl関連のドキュメントでも何かしら見て回って、直せそうなところがあれば手を入れてみるか・・と。

それで、会場に着いてからさっそくperldoc.jpを見に行って、何かできることはあるかな・・とひとしきり周遊。
japan.perlassociation.org

ハッカソン会場にもいらしていた @charsbar さんから、修正依頼を送るならどうするのか、などもその場で教えてもらって*4、しかしこれ、実際に何かやるとなると、ただ頭から見ていくより自分の使っているモジュールなどから見た方がいいか・・とか、けっこう砂漠に水をまくような大変さを実感。

ということで、これはこれとして見るとして、他に何かないものか・・と思っているところで、ふと、少し前に目にしたJPAさん(Japan Perl Association)のWebサイトで、部分的に情報が古かったりリンク切れになったりしているところがあったのを思い出したので、そちらの修正作業をやることに。

幸い、ハッカソン会場にはJPA理事の@karupaneruraさんもいらしていたので、さっそくその旨相談。数秒で「じゃあ、この時間だけ編集権限を渡しますよ」と決定、すぐにアカウント手続き、1分後にはもうページの編集ができる状態になっていました。すご・・。

あまりのスピード感に眩暈を覚えつつ、ざくざく作業。まずは修正対象になりそうなページや箇所をリストアップ。
要修正の箇所と、要検討につき修正案を提案するまでにする項目に分けていきます。

その後は要修正のところからどんどん修正。終わったら修正内容を簡単にGistにまとめて @karupanerura さんに共有。というあたりまで行ったところで、終了30分前ぐらい。あっという間!&なにこの充実感!

タイポやリンク切れの箇所についてはここで示してもあまり意味がないので、わかりやすい成果をひとつだけ。

以下の、Perlの参考文献を示したページで『初めてのPerl』と『続・初めてのPerl』のリンク先が古い版だったので、最新版に差し替え。
japan.perlassociation.org

初めてのPerl 第7版

初めてのPerl 第7版

続・初めてのPerl 改訂第2版

続・初めてのPerl 改訂第2版

その他、参考書籍として深沢千尋さんの『かんたんPerl』と木本裕紀さんの『業務に役立つPerl』も追加してはどうか? と提案しておきました。

かんたん Perl (プログラミングの教科書)

かんたん Perl (プログラミングの教科書)

もっと自在にサーバを使い倒す 業務に役立つPerl (Software Design plus)

もっと自在にサーバを使い倒す 業務に役立つPerl (Software Design plus)

ゆるくて鋭い突っ込みと具体的なレクチャーで作業を促してくださった@charsbarさん、前夜祭に続き圧倒的なパフォーマンスで段取りを組んでくださった@karupaneruraさん、そしてこのような機会を作ってくださった@skajiさん、ありがとうございました。

焼肉

エンジニアといえば焼肉ですが、この日の打ち上げ(?)も焼肉でした。たしか会場は以下。

焼肉酒場 牛恋 那覇松山店(那覇/焼肉) - ぐるなび

入ってすぐ、店員さんから「牛恋(うしこい)は初めてですか!?」と前のめりに聞かれて(たぶん決まり文句)、「あ、はい・・」という感じになったのが記憶に深く残っています。

参加者は錚々たる面々。上記の方々に加え、本編の最後にキーノートを務められた@yappoさん、同じくPerl Mongerとして著名な@xaicronさん、そしてもう何年も前、YAPC::Asiaのリジェクトコンのときに「malaさんですか?」と話しかけて以来のmalaさん等々。

とにかくハイレベルなプログラマーが集まっているので何を話しているのか理解できない時間の方が長かった気がしますが、まさにそういった時間を体験することこそがこのハッカソンに参加した目的でもあったわけで、考えてみるとその念願はこの焼肉会でようやく達成されたのかもしれません。

個人的には、@xaicronさんに以下の記事およびそれを含むテスト系のアドベントカレンダーがすごい参考になって何度も見直している、という話をできたこと、そしてそれを書いた頃にはどういう動機でどんな感じで書いていたのか、みたいなことをお聞きできたのは嬉しかったですね。
perl-users.jp

ちなみに、Perlアドベントカレンダーのテストの話といえば、@myfinderさんの以下もそれはもう何度も読んでいます。

Test::Moreでテスト事始め - JPerl Advent Calendar 2009

お土産屋めぐり

最終日。3/3が本編だったので、翌3/4に沖縄を発った人も多かったようですが、ぼくは上記のハッカソンに参加したので帰りはこの日、3/5でした。

結果的には、このスケジュールがYAPC恒例の飛行機ガチャにつながって、出発時刻は延期につぐ延期、もう今日はダメか・・? という頃になってようやく&突然飛んで、しかし羽田に着いた頃にはもう終電が自宅まで届いてなくて、たしか蒲田あたりに一泊するはめになったりしましたね・・。

しかしそこから少しだけ時計を巻き戻して、飛行機の予定は夕方だったので、ひとまず午前および昼過ぎまではようやくの&今回初の沖縄観光。

といっても、それほど時間があるわけでもないので、とりあえず那覇の公設市場で本場の沖縄そばを食べて、残った時間でお土産を買って帰ろう、という算段でした。

沖縄そばをどこで食べるか? については、さとなおさんこと佐藤尚之さんの以下を参考にしました。

沖縄の行った店リスト(170店)|さとなおのおいしいスペシャル

さとなおさんはぼくがかつて震災ボランティアを手伝っているときに、団体は違ったもののそのご活躍を見ながら、「ああ、すごい人だな」と思っていた方。信頼のおける、尊敬できる人。その人が沖縄のあちこちを食べ歩いて、ちょうどぼくが今回歩き回れる範囲も上のページでいろいろレポート(&レート付け)してくれています。ありがたい!

ということで、まずは目当てにしていた公設市場から。1階には生鮮食品のお店がすごい勢いで営業を繰り広げていますが、その2階には飲食店街が広がっています。そこをぐるりと一周した後、さとなおさんのレポートを読みながら「ここがいいかな」と思ったところに入店・・したつもりが、いきなり失敗。じつはこの飲食店街、店同士がびっしり並んでいるのですが、その店の境界が非常にわかりづらい。それで、目当てにしていた店に入ったつもりが、隣の店の席に着いて注文してしまいました。

f:id:note103:20180305120535j:plain:w300
(絵に描いたような普通の沖縄そば

いや、普通に全然おいしそうだし、実際「こんな感じだと思ってた」という味だったし、値段も量もほとんど隣と変わらないので、不満ということではないものの、それでもいきなりつまづいた〜・・という感じ。

幸い、このときには半量で頼んでいました。かなりレアな機会ということもあり、そば一杯で終わるつもりはなかったので・・。それで、ふたたびさとなおさんのレポートを見ながらあちこち歩いてみたところ・・出会ったお店がこちら、「牧志そば」。

f:id:note103:20180305134319j:plain:w300

ちょっと見づらいですが、ドアに「ソーキそば専門店」と謳っています(肉筆で)。そしてさっきの店よりずっと安い。さらには(たしか)100円追加で沖縄名物の炊き込みご飯「じゅーしー」も食べられる。ということでそれらを注文。

f:id:note103:20180305132328j:plain:w300
(目が覚めるほどシンプルなソーキそば)

f:id:note103:20180305132713j:plain:w300
(じゅーしー。普通にボリュームある)

んー、おいしい!(ガッツポーズ)
やっぱりさっきの市場のお店、悪くはなかったけど、いわゆる観光客向けの感じだったのかな・・と思ってしまうほどこちらの店は大満足。諦めなくてよかった・・。

気を良くして、しばらく散歩。

f:id:note103:20180305122010j:plain:w300
(パラソル通り、と言うらしい)

f:id:note103:20180305123323j:plain:w300
(でかい)

f:id:note103:20180305124525j:plain:w300
(ぐっと来る)

f:id:note103:20180305124558j:plain:w300
(猫)

f:id:note103:20180305145634j:plain:w300
(ちんすこうはここで。@国際通り

こんな感じでグルグル回ってから、ふたたび公設市場に戻ってきたところでなんだか気になるお店を発見。たぶんこちら。
www.satoukibikotobuki.com

さとうきびジュース・・。ここで飲まなかったら後悔しそう、と思っておそるおそる注文。すると、いきなりナタみたいなものでバシン、バシン、とご主人がさとうきびをタテに割り始めて、おもむろに鉛筆削りみたいなジューサーに投入。これ、すごいな・・と思って許可を取って撮らせて頂きました。

youtu.be
(マシンの下の方にコップがセットされていて、そこにジュースが入る感じみたい)

できあがり。

f:id:note103:20180305153326j:plain:w300

そのまま店内の小机を借りて飲み干しました(持ち歩いたらゴミの処分に悩みそうだったので)。けっこうスッキリした甘さでおいしかったです。

そろそろこの辺で疲れてきたので、お土産探しモードに切り替え。先ほど、公設市場の食堂階で1枚のチラシを見かけて、「ゆっくる」という観光案内所が紹介されていたので、とりあえずそこへ向かいます。

machigwa.info

アーケード街の並びにある小さなスペースですが、スタッフさんたちがいろいろ優しく教えてくれました。この辺でお土産屋は・・? と聞くと、すぐ近くにある「てんぶす那覇」というビルの1階に、この案内所の姉妹店のような感じで「ショップなは」という店が入ってるので、そこに行ってみたら、とのこと。

ショップなは

このてんぶす那覇、ものすごい穴場スポット。1階には休憩できるスペースもあるし、トイレも観光案内所もある。国際通り近辺というのは、なにげに「ちょっと休める場所」というのがないので、これはすごい助かりました。ということで、お土産を探す前にしばらく休憩・・。

の後、お土産物色。店員さんにあれこれと相談。「こういうのありますか?」「こういうのは?」と。家族へのお土産はもちろん、個人的にはなんと言っても古酒。「古酒ってあまり馴染みがないんですが、どういうのがオススメでしょう?」と聞いて、教えてもらったのがこちら。

www.koosugura.jp

たしか30度で720cc。1800円前後。初めてだったらこれがオススメ、と。折しもキャンペーン的なタイミングで、寝かせる前のそれ(いわゆる泡盛)も小瓶でついてくるという。嬉しい!&即決。

トータルでたぶん20分ぐらい、あーでもないこーでもない、とじっくり選んで、ようやく会計。そして自宅への郵送もお願いしました。

とにかく先ほどのまちぐゎー案内所「ゆっくる」にしても、この「ショップなは」にしても、まったく何も知らない状態で那覇情報を知りたかったら最適の場所だと思いました。

とくに「ゆっくる」の方では「沖縄そばめぐり」のマップなどももらって、うわー、今さら! 最初にここに来ればよかった・・と激しく後悔しましたね・・。まずはこちらの案内所を訪ねて、全体を把握してから各所をめぐれば効率が良かったなあ、と思いました。というか、次行くことがあったらそうします。

飛行機ガチャ

上にも少し書きましたが、YAPC名物の飛行機ガチャも体験できました。この日は夕方ぐらいから雨が降り出して、一気に豪雨になり、しかし東京はさらにすごかったらしくて「羽田に着陸できないから」という理由でなかなか飛べなかったようです。

個人的には、その那覇の豪雨が地味にキツくて、靴も靴下もビショ濡れ・・替えの靴下は預けた荷物に入れてしまっていて、売店で靴下、いやせめてビーチサンダルでもないかと探しましたがそういうのも無く・・。けっこう心身ともにダメージを受けました。

そんな中、ヤケになって買った紅いもソフト。少しはストレスも軽減された気がします。

f:id:note103:20180305192207j:plain:w300

結局、飛行機は21時過ぎぐらいに那覇を飛び発ち、しかし自宅までは間に合わなかったので都内で一泊して、3/6に帰り着きました。
おつかれ!!

終わりに

ということで、記録しそびれていたあれこれをまとめて書いてみました。これで思い残すこともなく、ぼくのYAPC::Okinawaを終わらせることができます。(おそい)

三度、精神的にも肉体的にもタフなスタッフの皆さん、そして誰も彼もめっちゃ優しくてすぐに友達みたいになってしまった沖縄の皆さん、楽しい旅をありがとうございました! また行きたい!!

*1:本編に届かなかった方による発表イベント。

*2:これについては他の記事で詳しくやっているので割愛。以右などご参照のほど。21世紀の文字起こし(2) - the code to rock

*3:しかしこれ、自覚的には当日とまったく同じ環境で再現したら成功したんだけど・・どうして現場で駄目だったのかいまだにわからず。

*4:管理されている@argrathさんは前日のうちに、これまた @charsbar さんからご紹介頂いていました。

ノンプログラマーのプログラミング活用法

去る3月3日に沖縄で開催されましたYAPC::Okinawaでの発表内容をスクリーンキャスト形式で新たに収録してみました。

www.youtube.com

ただし、めっちゃ長いので(85分)各チャプターの頭出しをしたリンクも以下に並べておきます。
興味に近いところなどありそうでしたら、適当につまみ見してください。

  1. はじめに: https://youtu.be/jJZD3k6-q0c?t=0s
  2. 自己紹介: https://youtu.be/jJZD3k6-q0c?t=3m45s
  3. Vim: https://youtu.be/jJZD3k6-q0c?t=13m46s
  4. Shell: https://youtu.be/jJZD3k6-q0c?t=31m38s
  5. Perl: https://youtu.be/jJZD3k6-q0c?t=50m54s
  6. Excel: https://youtu.be/jJZD3k6-q0c?t=1h1m40s
  7. ふり返り: https://youtu.be/jJZD3k6-q0c?t=1h18m12s
  8. まとめ: https://youtu.be/jJZD3k6-q0c?t=1h22m1s

冒頭でも少し説明していますが、今回は発表の録画も録音もしてなくて、一応スライドは公開しているけどDEMOも多用しているので、スライドだけだと一部しかわからないし、まあ「そういうものだ」と割り切るのもアリなんだけど、実際はかなり準備していった話だからこのまま終わってしまうのもな〜・・と思って、このような形で再現してみました。

YAPC本番では40分以内に収めるためにいろいろトピックを削ってしまいましたが(Shell編の文字列検索とか)、今回はそれも含めて基本的には全部入りにしたので、そういう意味ではフルバージョンです。

と言いつつ、これも今聞き直してみたら「あ〜、あの話忘れた」「こう表現すればよかった」といった部分がポロポロ出てきているので、これはこれでひとつの未完成版というか、新たなライブ盤というか、YAPCとはまた別の即興的な何かかな、とも思います。

あとはYAPCの本番だとやっぱり、聞いている人たちの反応コミでの面白さみたいなのがあったので、その意味でも現場でのパフォーマンスとは別物といえば別物な気もします。

とはいえ、当日聞いてくれた人にとってはその補足というか、その日の内容を思い出したり、カットされた話を知るものとして聞けるかなと思いますし、沖縄まで行けなかった〜という人には、スライドではわからない部分を聞いてもらえる機会になると思うので、記憶がなくならないうちになんとか形にできて良かったなと。

なお、この発表に関するざっくりした話(というかスライド作成の過程など)については前回の記事に書きました。
YAPC::Okinawa 2018 ONNASONの記録 - the code to rock

発表スライドはこちら。
The Non-Programmer's Programming Techniques // Speaker Deck

その他、個別具体的なトピックについてはまだまだ語り足りない面もありますが、とはいえキリがなさそうなのでしばらくナシかな・・。

それよりはむしろ、イベント前後の前夜祭、ハッカソン、お土産屋めぐりなどについてまだ書いてないことがいろいろあるので、次に時間ができたらその辺りを書き残しておければ、という感じです。

最後になりますが、このような機会を作ってくれたYAPC::Okinawa運営スタッフおよび関係各位、参加者の皆さん、そして何より時間を割いてB会場で聞いてくれた方々、ありがとうございました!