あれから10年の現在地〜YAPC::Kyoto 2023に行ってきた #yapcjapan
2023年3月19日に京都で開催されたYAPC::Kyoto 2023に参加してきました。
2023年というと、じつはというか、もうぼくが趣味のプログラミングを始めてからちょうど10年になるんですよね。
10年前、2013年というのはぼくが初めてYAPCに参加した年でもあって、以下のレポートを書いていました。
*今読むとノリがめちゃめちゃ恥ずかしい!
さらに、その2週間ぐらい前に初めてPerlコミュニティに飛び込んだ話が以下で、
これを読んで思うのは、ああ〜懐かしい〜みたいなことでは全然なくて、俺、このときキツかったな〜大変だったな〜!ということ。それはリラックスの対極、終始ヒリヒリするような緊張感と焼けつくような恥ずかしさ、冷や汗がダラダラ流れ続けるような感覚で、サポーターの皆さんは本当に親切で良い感じだったんですけど、初心者向けの講座ですらあまりにも自分の実力が追いついておらず、「なんで来てしまったんだ・・無謀すぎるだろ俺」という感じでした。
当時のPerl入学式のサポーターといえば、id:papixさん、
id:xtetsujiさん、まこぴーさん、うずらさん、わいとんさん、moznionさん、かるぱさん、それから猫のあずまさんと若林さん等々。皆さんいずれも今回の京都でご活躍でした。よく考えると、いや考えなくてもすごい面子。豪華でした。
ではなんでこのPerl入学式に行ったのかと言ったら、じつはそのすぐ後に開催予定だったYAPCの方に行くことを先に決めていて、チケットも買ってあったので、その前に少しでも知り合いを増やしておこうと思ったんですよね。・・姑息!しかしその試みはあんまりうまく行かなくて、いざYAPCに行ってみると、Perl入学式で知り合った人たちと会っても共通の話題がほとんどないのでちょっと話してもすぐ終わってしまうし、皆さんもともとの知り合いがたくさんいてそっちはそっちで貴重な機会だから、当然そちらで多くの時間を過ごすことになるしで、結局ぼくは懇親会の8〜9割ぐらいの時間を一人でじめ〜っと過ごしていました。そのときに考えていたのは、「このアウェイ感、激レアだからしっかり味わっておこう!」みたいなことではまったくなく、そのまますごすご帰るのもシャクというか、ただなんとなく帰るきっかけを失ったまま結局最後まで残ってた、みたいな感じだったと思います。
じゃあなんでそこまでしてYAPCに行こうと思ったの?と言ったら単純な話で、「なんか楽しそうだったから」なんですよね。じつはというか、その何年か前からYAPCのことは知っていて、たぶん初めてYAPCに触れたのが2008年のこれ。
YAPC::Asia 2008 - May 15-16th in Tokyo, JAPAN
Ustreamで配信されていて、IRCチャットで裏トーク的に解説が延々流れていて。それを使い慣れないLimeChatで見てました。当時ぼくは新しいフリーランスの仕事を請けたばかりで、それがものすごいプレッシャーだったから、現実逃避でジョブズのiPhoneの発表をリアルタイムで眺めたりしていたんですけど、それと同じような感覚でそのIRCも見ていて、そのチャットがすごく良かったというか、この雰囲気めっちゃいいな!と思って、それを自分も間近で、現場に身を置いて見てみたいと思ったんですね。そしたら、それから数年経ってプログラミングを始めた頃に以下の記事を見まして、
ああ、これはYAPCに参加する良い口実になるなと。自分を騙す口実というか、自分で自分を動かす口実というか。それでその知り合いほぼゼロの状態で向こう見ずにも飛び込んだんですけど、当然のように撃沈したと。
それから10年の歳月が経って、ついにアウェイがホームになった!という話をできれば綺麗なんですが、やっぱりまだまだ全然アウェイなんですよね・・。いや当時に比べたら全然ホームなんですけど、あのときLimeChatで見た楽しそうな雰囲気の中には今も自分はおらず、そういう不全感は今なお残っているなあと。で、それはなんでかと考えたんですが、たぶん結局技術の話がわからないからなんですよね。どうしてもある程度プログラミングができないと、自分が知りたいと思っている対象もふんわりぼんやり曖昧なまま、焦点がよく合わないまま話を聞くしかなくなっちゃう。でも、やっぱりそういうのは嫌で、みんなが見ているものを自分もクリアに見たい、同じものをスッキリ見たい、という感じ。わかりますかね。自分もピントを合わせてそれを見たいんですよ。
そのために、もう少しちゃんとプログラミングやろうと思って、今こういうところに通っていまして、
5月にはRubyKaigiにも行くぞ!っていう。
だから、プログラミング入門から10年経って、ついに1周回ってYAPCに帰ってきた!当時のサポーターもみんないる!わーい!みたいな感じかと思ったらじつはまだ入門中で、お前まだ足りないよ、もう1周走ってこい!って言われたような状況といいますか。その最初の入門時のことは以下の記事にサクッとまとめたのですが、
それにちなんで言えば今って「48才からのプログラミング再入門」という感じなんですね。大西さんの発表で紹介されていた宮川さんの一文、「Better late than never」そのものみたいで、べつにそれで綺麗に落とすためにここまで書いたわけではないんですけど、でもそのものではありますね。
って気がついたらなんだかエモい話になってきた気もしますが、でもぼくの場合はエモいというよりウェットなんですよね・・。本会の最後、ライトニングトークの直前に、Perl神社でお参りして席に戻ったら以前吉祥寺.pmで会ったやっさん(id:yassan0627)が隣の席に座っていて、お〜!ご無沙汰です!なんて言ってそのまま「この後どうしますか」「メシでも行きますか」みたいな流れで何人かで飲みに行ったんですけど、そこで同席した人たちと話していたのが、YAPCにいるスタープログラマーの人たちってみんなすごい優しいけどウェットではないんだよね、みたいな話で。ドライなんだけど冷たいわけではなくて、優しいんだけどベタつかないっていう感じ。でもぼくのはベタつくんですよね・・。
それがイヤっていうわけではないんだけど、いや、やっぱり嫌なんですけど、でも何らかの内容を持つメッセージをアウトプットしようとすると、どうしても一緒に湿気や粘り気が出てきちゃうというか。でも、それを気にして何もアウトプットできなくなるぐらいなら湿り気まじりでもなんかメッセージを吐き出せた方が良いと思うので、それで今ちょっと頑張っていろいろ書いてみてるんですけど。
さて、すでに十分長くなってるんですが、現場で見た発表、その他懇親会などについても書いてみます。ここで大体、全体の31%ぐらいです!
前日祭
まず京都へ出発した日のことですが、ぼくはとにかく朝が弱いので、東京発の新幹線は13時ちょっと前ぐらいのやつに乗って、京都に着いたのが15時半ぐらい。前日祭は17時までというので参加する予定はなかったんだけど、夜にはなんにも予定がなかったのでどうしようかな・・と思っていたらHelpfeelさんが非公式の懇親会をやる、それも前日祭に出ていない人も来てOKというので、ありがたく参加させてもらいました。しかも、ただでさえ参加費1,000円というのに、「フォロー割*1」という無料枠まで設けてくれて、ぼくが申し込んだときはその枠がまだ空いていたので無料で。さらには、とくに会場で何か宣伝されるとか勧誘されるみたいなことは一切なく、むしろ何か宣伝してほしいぐらい。と思ったら4/4(火)にこんなイベントがあるようですよ。ご興味おありの方ぜひどうぞ!
会場には知り合いがほとんどいない覚悟で臨みましたが、ありがたいことに結構知っている人がいて、技術系の編集者として誰もが知る風穴さん、そしてこれまでのYAPCで何度かお会いしている小飼弾さん、白方さん、makamakaさん、さらには当のHelpfeelでご活躍中のid:daiizさんなど。
面識がない人に対しても、年の功というのか、案外自然に「YAPCは初めてですか?」とか、「普段はどんなお仕事されてるんですか?」みたいなことをたまたま隣同士になった人にさらっと聞くみたいなことができていて、なんか間が持たないとか微妙な時間が続く・・みたいなことは一切なく楽しめました。
風穴さん、弾さんと話しているときには法林さんもいらっしゃって、初対面ながら技術系のライティングをするとはどういうことかみたいな話もできて、これは個人的に非常に貴重な経験だったなあ、と思いました。ここにラムダノートの鹿野さんがいてくれたらもっと話が広がるだろうなあ、とも。そんな機会があったらなあ・・。
この会でぼくが一番印象に残ったのは、今のYAPCってPerl成分が少ないよね、というよくある話題になったときに、弾さんが「YAPCにとってのPerlっていうのはマティーニにとってのベルモットみたいなものなんだよ」とおっしゃり始めて、一瞬場が「??」みたいな空気になったのもつかの間、「マティーニに入れるベルモットの量は少ないけど、ベルモットがなかったらただのジンになっちゃうんだから、少しだろうとそこにあることが大事なの」と言っていて*2、おお〜!みたいな。
あとは弾さんにChatGPTに関する見解を聞けたのもよかったですね。詳細は割愛しますが、その数日前にGPT-4が発表されて、かなり熱い時期だったので。実際、弾さんの発表でもChatGPTは不可欠な役割を果たしていたので、その辺を複層的に聞けてラッキーでした。
懇親会の終了後、同じく市内に宿を取っていたid:daiizさんと一緒に途中まで帰ろうということになって、すごく意気投合して楽しく喋りながらズンズン歩いていたら、京都の町並みってどこを向いても同様に整然としているからか、思いっきり違う方向に突き進んでいて、結局ものすごい回り道をして京都駅に帰り着いたのも良い思い出になりました。謎の裏道みたいなところを抜けて戻ったので、たぶんまた京都に行くことがあったとしても二度とあの道を歩くことはないでしょう(再現不能という意味で)。なんか大学生の頃に酔っ払って友達と歩いているうちに、いつの間にか初めて見る港みたいなところに着いちゃって、ボーッと汽笛みたいのを聞きながらかなり不安なんだけど高揚感もあるような、そういうのを思い出しました。

本会当日
長い散歩が効いたのか、そこそこ飲んだわりに二日酔いもほとんどなく、当日朝に会場に着いてからはスタッフとして大活躍していたpapixさん、xtetsujiさん、id:tomcha0079さん、
id:anatofuzさん、そして
id:tecklさんたちと次々邂逅。参加者として来ていた
id:sironekotoroさんやid:kaz_hiramatsuさんにも会えて、さながらPerl入学式の同窓会のような雰囲気に。うおー、みんな元気だった?会えて普通に嬉しいんですけど、という感じ。
ではここから当日本編。この日に見たトークでとくに印象に残ったのは以下でした。
小さく始め、長く続けるOSS開発と貢献 / Songmuさん
同時間帯のcharsbarさんの「2023年春のPerl」とどちらにするか、ものすごく悩みましたが、これはリアルタイムで聞いておきたいなあと思って。
具体的なプログラミングやコードの話はあまりなく、エピソード主体で汎用的に聞ける話が多かったので、ぼくにもリアリティのある内容として終始興味を引きつけられながら聞きました。とくに、kazuhoさんのツイートを参照しながら、マージされやすくなるためにはある程度事前にプログラマーとしての信頼を獲得している方が有利みたいな話があって、これは刺さるというか、本来の意図とは違うかもしれないですが、ぼくはプログラマーではないのでコミュニティ内で今の実力のままいくら立ち回っても効果が限定的というか、その信頼貯金みたいなものが一定程度以上にはどうしても貯まらないという構造的な壁に直面することが多々あり、それにつながる話だなあなんて思って聞いていました。
今回の機会だけでなく、長期的な参照に耐える内容だったと思います。
あの日ハッカーに憧れた自分が、「ハッカーの呪縛」から解き放たれるまで / あらたまさん
そのSongmuさんが開催前から「これは期待」というようなことをTwitterで言っていて、自分もそれを見て「これは直接聞かねば」と思っていました。果たして、ご本人の長年にわたるさまざまな葛藤や、答えがあるようでないような課題との向き合いの連続が整理されながら語られていて、面白かったです。
個人的に、この話で取り上げられた最も重要な転換点は、「事業」という枠組みを自分が目指すモデルの中に含められるかどうか、みたいなことかなと思って聞きました。それが視野に入ってから今につながる方針が見えてきたというような。
上では「整理されながら」と書きましたが、ある意味では混沌としたテーマという印象もあり、本来ならこの時間やスライド数では到底まとめられないぐらい多岐にわたる、そして形を持たないような話だったと思うのですが、圧倒的な準備とある種の力技でこの時間・内容にまとめられたような感じがあり、パッと見からはちょっと想像できないような密度も感じました。今回の発表のスライドを1枚ずつダブルクリックしたらさらにそれを支える話題がいくらでも出てきそうな内容で、ぼく自身ちょっとイメージが追いついていないようなところもいくつかあるので、その辺あらためて見返しながら整理してみたいと思っています。
何はともあれ、ベストトーク賞おめでとうございました!
余談ですが、Cake.jpって「ケーキジェーピー」って読むんですね。「ケイクドットジェーピー」かと思っていました・・。
あらたまさん自身による当イベントの感想ブログは以下です。
tamamemo.hatenablog.com
ゲストトーク / nekokakさん
ご自身のキャリアを振り返りつつ、どのような考えを持ってどのように行動してきたかといったお話。これはこの次の大西さんのトークと対になっているような感じが非常に強かったです。もちろん、このお話単体でも面白かったんですけど、その後に大西さんの話を聞くことで、両者の話が立体的になるというか、大西さんが用意していた年表にnekokakさんの年表を重ねたら三次元の年表になりそうだな、というような。
nekokakさんはその転機を記事翻訳とかモジュールを書くとか登壇するとかにつなげて行って、大西さんは大西さんでそれに重なるような活動をしつつも会社の広告記事に立候補して登場するとか、その異同が興味深いなと。
自分のことではなく、事業に全部振り込む、自分はいつ切られてもOK的な、ある種「利他的」な姿勢というのは、あらたまさんの発表にあった「事業」とか「組織」とかの軸を自分の目標に含めていくみたいな話とつながる部分もあるなと思いました。
基本的には自分語りのテーマのはずなのに、全然ウェットにならなくてどこか他人の物語を紡いでいるような感じ。というのは上に書いた「優しいけどベタつかない」という印象にそのままつながるんですが、なんだかそういうところも面白かったですね。
キーノート / 大西さん
大西さんといえば、個人的には池澤あやかさんと展開していた以下の記事のような印象が強いんですけど、
いつも真顔で面白いことを言う人というイメージがあり、それは記事の作り方によるものではなくご本人のキャラクターなんだなと今回確信できました。とにかく数分に一度(というか数十秒に一度)はきっちり笑いを取ってましたね・・。
年表を見ながらいくらでも喋れるという話、わかる気がしました。あとは創業期のむちゃくちゃ狭いオフィス時代、破天荒な工夫のかぎりを尽くしていた話とか、引き込まれながら聞いてるうちに終わってしまいました。40分とは思えなかったです。
ご本人のブログによれば、かなり計算を重ねられた上でのバランスが実現されていたようで、それも興味深かったです。
自虐とは言いますが、自覚が強いんですね。ぼくはそれが苦手なので素直に尊敬します。
そしてnekokakさんのトークにも大西さんのトークにもそれぞれのあり方でキーパーソンとして出てくる宮川さんと直也さん・・このお二人、とくに宮川さんのキーノートへの出現率は半端ないですね。
英語は苦手でも「Better late than never」は死ぬまで覚えていられそうです。
Andrii Nuggedさん from ヘルシンキ
今回のYAPCには今年8月にヘルシンキで開催される「Perl and Koha conference」の主催者であるアンドリィさんが参加されていて、YAPC開催中にこんなツイートをしているのをたまたま見かけ、
私たちのブースでムーミンのお菓子を手に取り、2023年8月14日~16日(14日~18日)にヘルシンキで行われるYAPC::EUについて知ることができます:ようこそ私たちのブースへお越しください。そして、私と話し、つながりましょう。
— Andrii Nugged (@nugged) 2023年3月19日
🇯🇵🇫🇮🇺🇦#yapcjapan #perlkohacon pic.twitter.com/3YqK0zOshf
企業ブースコーナーの一角にいるのは見ていたんだけど、あんまり人と話しているところを見てなかったので、ちょっと声をかけてみようと思ってランチセッションに向かう途中で「こんにちは〜」という感じで声をかけてみました。(お菓子に釣られたというのもある)
そしたら、気さくにフィンランドのお菓子を勧めてくれて、センキューセンキューといいながらありがたくもらって話し始めたら、そのままずーっと話が続いて気がついたら1時間ぐらい経っていました。途中で、「ああ、もうランチセッション始まるな」とは思ったんですが、聞けばアンドリィさんはフィンランドから北極点を回ってなんと14時間のフライトを経て日本まで来ていて、その人との話を「ちょっとお昼だから」といって途中でやめる気にはあんまりならないというか、それに普段そんなにも遠く離れている人と同じ場所で直接話してて、けっこう通じてるという感覚、というかかなり「通じてる!」感があって、それがすごく貴重だったというか。それで、へえ〜そうなんですねえ、なんて話していたらふと通りかかったcharsbarさんが途中から参加してくれて、じつはちょうどもうこれ以上英語頭に入ってきません!オーバーワークです!となりかけていたので良かったというか、それでむしろ延長的にそのまま心置きなく話をすることができました。英語で話をしているときにcharsbarさんが横にいる安心感と言ったら!
アンドリィさんは今回ヘルシンキから来ていたけど、ご出身はウクライナで、その服綺麗ですね、と言ったら「ウクライナの服なんだよ、ゼレンスキーも着てたやつ」と教えてもらいました。最後に、握手をしながら「来てよ、ヘルシンキ」みたいに言われつつ撮ってもらったのがこの写真。

なんか、ここ数年で撮ってもらった自分の写真で、一番好きな表情かも。(ちょっと眠そうだけど)
アンドリィさんはLT大会にも参加されて、そのスライド資料は以下で読めます。日本語で説明を入れてくれていてありがたい!Perlで書かれたOSSの図書館システムKohaや、8月開催のPerlカンファレンスに関する詳しい説明が読めます。ぜひご一読を!
そのスライドからも行けるけど、ペライチにまとめられたドキュメントはこちら。
アンドリィさん、まじでまた会いましょう。お話しできて嬉しかったです。
本会後の飲み会
さて最後のエピソード。もうはるか昔に書いた話、つまりPerl神社でお参りした後にやっさんに再会したということはもう書いたと思うんですが(覚えてますか)、その後にじゃあ飲みに行こうということになったものの、急に決まったのと時間が中途半端だったせいでなかなか店が空いておらず、「うまい酒が飲める店」に超絶詳しいやっさんにずーっとあちこち問い合わせてもらってついに見つかったお店がすごく良くて、2時間ぐらいですか、ラストオーダーまでゆったりまったり、快適な時間を過ごせました。やっさん、本当にありがとう。楽しかったです。
ところで、この打ち上げの席でぼくの隣りに座った初対面の人がすごく落ち着いた調子で話す人で、不思議なバランス感覚のある人だなと思いながら話をしていたんですけど、最後に会計をするときにその人が皆のお金を集めてくれていて、誰かが「じゃあ、ぼんぬさんに払えばいいですか」というのを聞いて、二度見ならぬ二度聞き。・・え?っていう。その方、ぼくがPerl入学式どころかそのさらに10年近く前、たしか2004年とかに初めてJUGEMにブログを開設した頃にネットで知り合った人で、当時の何も知らないままとりあえず新しげなものを見かけたら何でも頭から突っ込んで試していく謎人間に対してすごく丁寧に接してくれた、ある意味人生で初めて会ったIT系の中の人というか、エンジニアさんだったんですよね。言ってみればITエンジニアとのファーストコンタクト。でも、ずっと顔も声も知らないブラウザ越しの関係だったから、2時間隣りに座ってたのに全然気づかなかったという。それでええ〜〜!ってなって、あの、ぼくあのとき助けてもらった亀です的な挨拶をして、なんかそれから今までの約20年の間にやってきたことが全部ブワッて甦ってくるような、伏線全部回収されました的なオチがつきました。
YAPC::Kyoto、最後まで思いがけないことの連続で、飽きることがなかったです。開催を実現するために走り回ってくれた皆さん、ありがとうございました。Perl入門から10年経って、ようやく入り口に立てたかなという実感ですが、実際はまだまだ全然足りなくて、「もう1周走ってこい!」って言われた感じなのでもう1周、今度はRoRで回ってきます。それが終わったらきっと何か別のものになって帰ってきます。それでもまた「もう1周!」と言われるかもしれないけど、それでも・・。