掲題の2冊を読みました。
- 作者: Mike Gancarz,芳尾桂
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2001/02
- メディア: 単行本
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イラスト・図解 サーバのしくみがわかる本―インターネットの舞台裏がよくわかる、サーバ入門
- 作者: 斉藤孝
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2000/04
- メディア: 単行本
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(読書ログをもう少し効率的に出来ないか、とつねづね思っていますがそれはまた別の機会に……)
UNIXという考え方
前者はこの時に買った本で、
その時に読み始めていたリーナス・トーバルズの本を読み終わってからすぐ読み始めて、日数的には1週間もかからなかったぐらいですが、思いの外「重い」というか、けっこう濃密だなあ、という感じもありました。
とはいえ、直前まで読んでいたリーナス本と響きあうところもあったりして、また、途中で引っかかったり投げ出したくなるようなところもあまりなく、これは原文や訳文の力かもしれませんが、おかげで集中して読めたと思います。
あと、リーナス本についても言えることですが、それを取っ掛かりとしてまた次の別の本に移っていきやすい、広義のリファレンスみたいな側面もあって、それも個人的には良いと思えました。
内容についてはまだあまり消化できていないのですが、とにかくことあるごとに「UNIX的な考え方はこうである、そうでない考え方はこうであり、前者はこのような意味で後者より優れてる」のテンプレを反復し続けるので、ある種自己啓発的というか、宗教的というか、話はすごく面白いし参考にもなるし、何も問題ないといえばないのだけど、もうちょっと控えめな感じでもいいのでは……とは時々思ったり。
もしかすると、当時のUNIXがおかれていた状況とか(マイノリティ的だったとか)、アメリカという風土がレペゼン(自己主張)なくしてやっていけないとか、そういう要素もあるのかもしれないですが。
また、上で「重い」と書きましたが、本自体は技術書としては(エッセイ的であることを考慮しても)けっこう薄い方だと思いますが(P150にも満たない)、文字詰めがだいぶ圧縮されているというか(笑)余白も少なければ行間も狭くて文字も小さい、なんだか同人誌のような(悪い意味ではないです)作りで、だから見た目にだまされて軽い気持ちで読もうとしたらけっこう歯ごたえあるな……みたいな感じになりました。
その上でしかし、結果的には短期間で読み終えたので、それだけ面白かったのかな、とも思いますが。
イラスト・図解 サーバのしくみがわかる本
その後に読み終えた後者「イラスト・図解 サーバのしくみがわかる本」はこちらで紹介したものですが、
じつはその記事で読み始めたことを宣言したときには、そうは言っても読み終えられないかもな……と思っていて、なぜなら僕は本当に一冊の本を最後まで読むということがなかなか出来ない傾向にあるからなのですが、本書は内容はもちろん、そこで扱っていることの種類のバランス(配分)、また語り口などもそれぞれ良くて、うわ面白いなあ〜と何度も思いながら読み進めるうちに、結局最後まで読むことができました。
何しろサーバーの話だけだと思っていたら、C言語やPerlなどのプログラミング入門的な話題もサンプルコード付きで載っているし、Javaやオブジェクト指向の基礎、CGIを使った簡単なアンケートフォームの作り方みたいなものまで扱っているので、途中で何度か「これ何の本だっけ……」と思うぐらいに幅広く、また解説も平易なのでそうそう飽きないというか。
その上で、本題であるインフラ的なあれこれについても過不足なく触れられていて、なるほど、ようはサーバーって、「なんでも」のことを指すのだな、みたいな印象を持ちました。「何にでも関わる」と言った方がいいのかもしれませんが。
また、それだけ多岐にわたって書かれているせいなのか、あるいは題材の性質によるものか、14年前の本であるにもかかわらず、現在のことについて書かれているように感じる部分も少なくなく、その点も最後まで興味を引きつけた理由であるかもしれません。
ところどころ、本筋とは別に編集者視点で「この言い回しは日本語としてちょっと引っかかるな……」みたいな部分もありましたが、それでもトータル的には読者への対し方というか態度の開き方、また文章自体の面白さも良いもので、著者(斉藤孝さん)の別の本や、技評さんのイラスト・図解シリーズの他の本も機会があれば読んでみたいと思いました。
今読んでいる本
その後、今読み始めているのは、ここで紹介したVimの本とか、
あとはずっと読み続けていてまだ3分の1ぐらい残っている大著のこちらとか、
- 作者: 深沢千尋
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2008/06/20
- メディア: 大型本
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あとプログラミングには必ずしも直結しないけど少し関わるこちらとか。
海賊のジレンマ ──ユースカルチャーがいかにして新しい資本主義をつくったか
- 作者: マット・メイソン,玉川千絵子,鈴木沓子,鳴戸麻子,八田真行
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2012/07/23
- メディア: 単行本
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他にもいくつか併読しているので(先日買い込んだインフラ/Linux系の一群など)、面白いものがあったら紹介したいと思います。