宗教対立と哲学趣味

宗教対立の特集をTVで見ていると、つくづく宗教って人間個人を高めるような何かではなくて苦しみをやわらげるための何かなんだなあ、という気がする。
だから頼るし、中毒になるし手放せなくなる。

それが悪い、ということではなく何しろ人生なんて痛いことばっかりだし。でも宗教が本質的にそういうもんなんだ、と思うといろいろ腑に落ちる。

崇高な何かを期待してそれを見てしまうと裏切られるような気になることがいろいろあるけど、鎮痛剤を売っている、みたいなものだと思えばあれもそうか、これもそうなんだと思えることが多い。

宗教は商売で、買った人にしか効かない。買ってない人に効くのは(あえて言えば)哲学だ。あれは何というか、考えてるだけで何かを享受してる気になる。まあそれはそれでどうかと思うが。
だから哲学同士で対立が生じることがあるなら、それはもう哲学ではない商売としての何かということになる。

(またしてもあえて言えば、)哲学は世界をよくするための方法だが、宗教は個人に効く薬だろう。どちらがいいという話ではなく。