Webページ・ソーシャル文字校正サービスの案

前提

充実したブログ記事を読んでいるときなどに、ちょっとした誤字や「ここ入れ替えたほうが読みやすいんだけどな〜」と思える記述にぶつかることがあります。

いわゆる職業病ということかもしれませんが(編集の仕事をしているので)、これはたんに読んでいる僕がストレスを抱えて終わり(気にしなければOK)という問題というよりは、そこをちょっと直すだけでその記事の寿命も延びるというか、よりいろんな人に伝わりやすくなるだろうという意味で、なんとかスマートな形で教えてあげたいなあ、とそのたび思ったりします。

もちろん、その指摘が執筆者に受け入れられなければそれはそれで良くて、しかしもしそのミスが執筆者の意図しないもので、「直せたら直したい」ものなら、そこのマッチング(指摘したい人とされたい人の)には価値があるだろうと思います。

さて、とはいえそんな些細なミスを、コメント欄やTwitterなどで直接伝えるのもどうなのか、という問題があります。
この場合の一番大きなネックは、いかにおせっかいな人であっても、その目的に比して指摘するまでのコスト(かかる時間・精神的負担など)が高すぎる、ということです。

それなら気軽にはてブで指摘したら? という気もしますが、それはそれでちょっと感じ悪そうというか、そもそもはてブというのは当のWebページ(やブログ)の執筆者とコミュニケーションをとる目的では作られていないので*1、このようなややセンシティブな(人によっては「否定された!」とネガティブに受け取りかねない)やり取りには向いていないとも思えます。

よって、ひとことで言うと、このような欲求に対する解は今のところないですね。

と同時に、それならどんな感じならイイの? ということを書いてみたいと思います。

1. 対象を記録する

Webページの誤植等に気づくわけですから、舞台はブラウザです。
よって、すぐに思い浮かぶ記録方法としてはブックマークレットか、各種ブラウザの拡張機能を使うことが考えられます。

ここでぼくがイメージするのは、たとえばはてなブックマークのそれです。

対象の文字列、あるいは文章を選択し、その状態でボタン(ブックマークレット)をクリックします。あるいは、選択した状態で右クリックをして、その選択肢を選ぶのでもいいと思います。

2. 修正案を書き込む

はてなブックマークGoogle Chrome 拡張だと、ボタンをクリックしたときにコメントを記入する欄が出てきます。
ここでもそのような欄を出して、修正案を書き込めるようにしましょう。

ただし、この段階では「修正案」以外の記述は行いません。
たとえば、本来「リンゴ」と書きたかったのであろう場所が「リゴン」となっていたなら、まず「リゴン」を選択しておいて、修正案の欄には「リンゴ」とだけ書き込みます。

3. 備考を加える

それだけで問題が伝わりそうなら「2」で終わりでも良いですが、ひと言コメントを付け加えたくなることもあるでしょう。
たとえば、「その表現も間違いではないけど、今の業界の標準はこちらだよ」とか。

つまり、修正案を見るだけでは「なぜ」「どこが間違っているのか」が伝わらない可能性もあるので、そういう場合には備考欄で補足します。

よって、「1」で出てくる記入欄には、修正案用と、備考用の2つが必要になります。

4. 閲覧&コミュニケーション場所へ

指摘する側のアクションは「1」〜「3」で完了です。
この後はその内容を使うフェーズに入ります。

これは、はてなブックマークのトップページのようなバリエーションに富んだ感じよりは、Hacker Newsのような超シンプルな構成のほうが良いように感じます。
純粋に直近の投稿から順に、過去へ向かって1カラムで下へ下へ伸びていく感じ。

しかしそれだと、どこに目当てのWebページに関する情報があるかわかりづらいですから、基本的には検索欄を使うようにします。

検索欄に対象となるWebサイトのトップページを打ち込むと、そのサイト内のWebページに関する情報がダララっと出てくるようにします。
で、それをRSSフィードで購読できるようにしましょう。

そうすれば、フィードをフィードリーダーで読んだり、あるいは各種連携サービスを通してSlackやメールなどにプッシュ通知することが可能になります。

5. 問題解消へ

自分のサイト/Webページに関する指摘を見つけたら、それに関する個別ページで指摘内容を吟味したり、コメント欄で掲示板的に意見を交換をできるようにしましょう。

この個別ページは、Stack Overflow みたいな感じがカッコイイかもしれません。

まあ、Vote 機能は不要かもしれませんが、お題となる「現状・修正案・備考」の情報が1セットでページ上部にあり、そこからぶら下がるようにコメントが続いていく、というイメージです。

結論が出たら、当該サイトの管理者はその個別ページをアーカイブに入れることができます。
あ、いやその認証には手間がかかるか……まあ、単に放置しておくだけでもいいかもしれませんが。

まとめ

案の終盤はけっこう雑になりましたが、要点としては「ブックマークレット的なもので最小限の修正要素をクリップし、1つの場所に溜めていける&誰もがそこにアクセスできる」という状況があればいいのになあ、ということでした。

日本語表現のありがちな間違いや、英語の添削など、当事者以外にもそれなりに役立つ場所になるのでは、と夢想しています。

*1:コメントのやり取りができない、文字数が100文字まで、などの制約により。