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私のYAPC::Asia TOKYO 2015(2) 〜2日目〜

YAPC perl

しばらく間が空きましたが、他の書きかけ記事も落ち着いたのでこちらに戻ります。
YAPC::Asia 2015 最終日(DAY2)の感想です。

前夜祭&1日目の記事はこちら。note103.hateblo.jp

承前: DAY1の懇親会

DAY1の最後は懇親会で、これはこれでとても楽しみにしていたのだけど、どうも疲れていたのか、緊張していたのか、遅れて到着したわりにすぐ満腹になってしまい、アルコールももういいや、という感じになったので、早々に退散。閉会する前にホテルへ戻った。

前夜祭の日はちょっと飲み過ぎて、帰ったら即ダウンしてしまったのだけど、この日は体力がまだ残っていたようで(というかあまり飲んでなかったから意識が残っていたというか)、シャワーを浴びてから現在勉強中の簿記の復習と、進行中の仕事の続きを少しずつ進めてしまった。勤勉!

手元のメモによると、22時過ぎから各20分程度は粘った模様(と、書いてみると大したことない)。そして疲れて寝た模様(やはり大したことない)。

DAY2

二日酔いもなく快調な目覚め。しかし例のごとく遅刻ペース。なぜ……。

それでも2日目最初は@kazeburoさんの「ISUCONの勝ち方」を見たかったので、頑張って移動。やはり国際展示場駅から展示場までの道のり、永遠に近く感じられる遠さ。何とかギリギリ間に合ったが。
ISUCONの勝ち方 - YAPC::Asia Tokyo 2015

以前にも何度か書いたように、サーバーの勉強をむりくり始めたのはISUCONへの憧れがあったからで、しかし結局それが何なのかよくわかっていなかったから、その内実を垣間見たいと思っていた。

サマリーには「レギュラー向け」とあったけど、聞いてみればとくに難しいとか意味不明とか思う部分はなかった。これも@kazuhoさんや@tokuhiromさんと同じ現象で、内容をよくわかってる人の話は本来易しいのだ。

果たして、何をどうするのがISUCONというイベントなのか、今までに比べたらだいぶ感触がわかったような気がする。とりあえず「インフラエンジニアの教科書」的な何かをもとに、自分で何か作ってみながらさらにその辺に近づいてみたい。

忘れ物でパニック(再)

次は迷わずリカルド(@rjbs)さんの「Perl 5.22 and You」へ。
Perl 5.22 and You - YAPC::Asia Tokyo 2015

よさ気な席をゲットして、余裕をもってスタンバイOK! で、今回のイベントで頻用しているメモ帳を肩にかけていたミニトートから出そうと思ったら……ナイ。え〜、いやいや、ずっと肌身離さず持ってるやつなのでナイってことはさすがにない……はずなのだけど、トートにもリュックにもやはりない。というか、その時に初めて気づいたけどついさっきまで持ち歩いていたはずの水のペットボトルもない。ということは、それらを一式どこかに置いてきたと考えるほうが自然。

リカルドさんはすでにマシンのセッティングを終えて、マイクチェックも完了。あとはスタートするだけ、という感じだったので、今部屋を出れば最初の方を聞き逃すことは明らかだったけど、仕方ないのでさっきまで@kazeburoさんの発表を聴いていたトラックEへ戻る。

水はともかく、メモ帳は無いとけっこう困る。見られて困るようなことは書いていないはずだけど、外付けHDDのごとく自分の思念をあてどなくダラダラつづっていたから、後で思い出したかったいろいろなことにアクセスできなくなる! というのがつらかった。

トラックEへ戻ると、やはりというか幸運にもというか、さっきまで座っていた場所にそれらは一式置きっぱなしで、落し物コーナーにすら持っていかれてはいなかった。他の参加者さんやボランティア・スタッフの方には迷惑をかけてしまったに違いなく、本当に申し訳なかった。

前日のiPhoneもそうだけど、普通に考えたらそうそう忘れるはずがないものを、簡単に忘れてしまう現象。これってようは、慣れない場に飲まれてテンパっているから普段とは違う行動をしてしまう、ということだろう。
会場ではしょっちゅう落とし物や忘れ物についてアナウンスしていたけど、こういう機会だとそれはむしろ日常的に起こるのだと身にしみて思った。

use v5.22

トラックAに戻って、あらためてリカルドさんの話を同時通訳で聴く。昨日も感じたが、通訳さん、最高体験だった。

とはいえ、通訳さんの話だけを追って内容の理解に努めるか、それともせっかく会場にいるのだからと、英語での生の話も合わせて聞くか、という態度がどっちつかずになると、なかなか話に集中できなくなる。
つまり話者の英語と通訳さんの日本語、どちらをメインで聞くかという態度をある程度カチっと決めておかないと大変だなと何度か思った。

その上でしかし、やっぱりそのように生の英語とプロの同時通訳を一緒に聴ける機会自体そうそうないわけなので、その不安定さ(自分の)もあわせて楽しんだ。

リカルドさんの話はサンプルコードも織り交ぜながらだったせいか、あるいは元々初級者のオーディエンスを念頭に作ってくれたのか、何を説明しているのか、けっこうわかった気がした。去年の牧さんの発表にあったサブルーチンシグネチャの話もあって、それが結局どういうものなのか、この発表を通してあらためて(とはいえあくまでボンヤリではあるけど)わかった気がする。

あとから件のメモ帳を見ると、「リカルドにPerlを習う」という一節が書きつけられていた。願望なのか宣言なのかわからないが、まあ、そんな感じだった。

ランチセッション

2年前に初めてYAPC::Asiaに来たときはランチセッションが両日あって、ぼくはほぼ完全にボッチだったから、やることもなくてその2日ともランチセッションに参加した気がする。そのときはシックス・アパートが2日とも出ていて、マイクロソフト(Azure)とLINEが1日ずつ出ていたはず。

今回はランチセッションは2日目のみで、かつ2社が別々の部屋に分かれていたから、見られるプレゼンは1社分だけだったけど、集中して話を聞けてよかったと思う。

僕が行ったのはFusicさんで、社内ツールを自分たちで作っている、その意味と効用、みたいな話だった。
ランチセッションA - YAPC::Asia Tokyo 2015

必ずしもPerlやコードに限ったことではなかったので、プログラマにかぎらずいろんな業務に応用しやすい話だったと思う。

開発に失敗しても損害の範囲が限られている社内ツールだから新人に任せられるとか、出来合いのツールだと不要な機能にも料金を支払う必要が生じがちだけど、社内ツールならばそれを避けやすい、といった話は納得度が高い。

質疑応答で、「頻繁に変わる使用ツールに社内の人がついてきてくれなかったらどうするのか?」みたいな質問があって、個人的にはグッド・クエスチョンだと思ったけど、回答は「いや、そもそもそういうことは余り起こらない」みたいな感じで、質問の意図がちゃんと伝わっていないような気がした。

たとえば、初期はIRCメインだったのがSkype&idobata体制になって、でもしばらくして今度はSlackに統一しましょう、なんて風にあちこちに変えていたら、非エンジニアの人なんかはけっこう、「え〜せっかくSkypeの使い方に馴染んだところだったのに」と思うものではないか? そういう軋轢というかコンフリクトにどう対処するの? みたいな質問だったんじゃないかと思う。

全員がエンジニアですら、そういうツールに対する相性というのは人によって異なるはずで、ましてや非エンジニア職の人も巻き込んでそういうツール運用をしているのであれば、その質問にあるような問題にどう普段対応しているのか? というのは他人事ならざる問題として気になるところだったのだけど。(でも、それでもとくにそういうことはない、ということだったのかもしれないが)

Adventures in Refactoring

トラックAに戻って、Ben Lavenderさんによるリファクタリング話。
Adventures in Refactoring - YAPC::Asia Tokyo 2015

このトークもヒットだった。とても面白かった。通訳さんも素晴らしいパフォーマンス。

個人的には、前日のCasey Westさんによる「Conway's Law of Distributed Work」と繋がるところがあると思った。やっていることはいわばプログラミング、コーディングなのだが、それを通してライフ全体を良くしようという意志を感じる。
あるいは、ライフ全体を良くすることによってプログラミングも改善していこう、というような。

トークの中で、何度も「Confidence」という言葉が出てくるのが印象に残った。
なぜリファクタリングするのか? 自信を得るためだ。みたいな。

グッド・トーク。

復唱

今年のYAPC::Asiaで印象深かったことの一つは同時通訳さんのパワーアップぶりだったけど(個人の感想です)、もう一つ、質疑応答で毎回発表者が質問の概要を復唱する、というのがあって、よかった。

どこかの誰かの発表で、「記録のために復唱します」と言っていたけど、たしかに会場からの質問って、後から動画などで見るときに聞こえづらいことが多く、しかしそのまま発表者が回答してしまうと結局なんの話かわからない、ということになりがちなので、それ対策かなと思った。これは昨年まではなかった慣習という気がするがどうだろう。

ほとんど全員が全員、質疑応答でこれをやっていたので、もしかすると事前にトーク採択者への依頼としてそうするように言われていたのかもしれないけど、記録の目的だけでなく、事前に「今からこれについて答えるよ」と回答の対象を明示することによって、「同じことについて話しているようで実は別々の対象について話していて、でもそれに気づかないから延々と話がズレていく」みたいなつらい状況に陥りづらくなる、いい方法だと思った。

記録をしていない場でも、けっこう有効かもしれない。

I met Mr. Larry Wall

Benさんのトークが終わって、さてどうしようかな……と思ってメールを見ると、数件返したほうがよさそうな仕事の案件があったので、ベンチを見つけてしばらくメール。

その後、Slackに繋げてチームメンバーとチャットして、自分が作業していない間の進捗を共有したり。僕が使ってるMBA-11inchはもう何年も前の64GBのマシンだけど、とりあえず必要充分なだけは動いてくれる。ほんとにありがたい。

ちょうど30分のトークを一つスキップしたぐらいの時間になったので、Etourneau Gwennさんの「Run containerized workloads with Lattice」を聞きに行った。
Run containerized workloads with Lattice - YAPC::Asia Tokyo 2015

自分のまったく知らない分野の話だったけど、そういうのをフラッと聞けるのが楽しい。最後までよくわからなかったが、次に同じツールの話を聞いたら、まったく前知識がないよりはわかるだろう。

さっきのメールやSlack対応で、なんだか中途半端に仕事モードに戻ってしまった感覚があって、トーク行脚を再開しようという気も薄れ、無限コーヒーや物販コーナーあたりをフラフラした。

そういえば前夜の懇親会で、Perl6 のタオルやワッペンが配られてるって話を聞いたな……と思い出してそれを取りにいったり。(ゲットできた)

そのままぼんやりしていると、近くでLarry Wallさんが知り合いと話しているような、でも話してるわけでもなくただ遠目に聞いているだけでもあるような、いずれにしてもすぐそこにいた。昨日の懇親会でも話せなかったし、この機会を逃したらもう話せないかもな、と思って、話しかけた。

あのー、僕、プログラマではないんですけど。編集者です。音楽の本を作っています。CDブックなんですけど、主には。それで、僕はビギナーなんです。その、プログラミングの。趣味です。それで、最初に触ったのがPerlなんです。すごく何ていうか、楽しいです。Perlが。
ぼくはPerlが好きで、なんでかって言うと、自由を感じるんです。やってると。それから、コミュニティがあたたかいです。それはたぶん、Larryさんがあたたかい人だからだと思うんですけど。(笑い)
あなたがPerlを作ってくれて、それで日本の素晴らしいコミュニティが僕にPerlを教えてくれて、だから僕はとてもハッピーです。だからあなたに感謝しています。ありがとう。

とかなんとか。写真を撮ったりはしなかったんだけど、でも何というか、もう満足だった。

Hallway Track?

さっきまでいたベンチに戻って、そこは前日から『雅なPerl入門』や『Acme大全』を頒布していた物販コーナーの裏手のようなところだったのだけど、もうイベントも最終盤で、同人誌も完売していて(すごい)、ちょっとまったりした時間が流れていた。

Perl入学式を通じて知り合った人たちが何か言ったり、それに対してケラケラ笑ったりしているのを夢の中のようにぼんやり聴いていたら、不意に猫トーストラボまかまかさんが、「門松さんもやりますか? やりましょうよ」と何かに誘ってくれているようで、聞くとPerlをモチーフにした「Parumon(パルモン)」というカードゲームだった。

よくわからないけど、たぶんこんな風に誘われることもそうそうあるまい、と思って「やります!(よくわからないけど)」と参加した。

その時の模様。

右のほうでピンクのストラップを首に巻いて神妙な面持ちでルールを聞いている……。

このゲーム、すごくPerlの勉強になるというか、Perlに熟知している(光と闇を知っている)人ほど楽しめそうな内容で、途中であれこれレクチャーを受けながら(ゲームのルールとPerlモジュールの)、緊張感を持って真剣にやってしまった。

Parumonについて、帰ってから何か説明がないか検索してみたら、しっかりマニュアルページが作られていた。さすがまかまかさん。
Parumon

迫り来る納期の攻撃に耐えながら、CPANモジュールを駆使してプロジェクトを完遂させよう!
楽しく遊びながらCPANモジュールを勉強できる画期的なTraining Card Game 登場!

とのこと。いやほんと、最高でした。

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ようやくルールもつかめてちょっと表情に余裕が見えてきた頃。(真ん中にいます)

(写真はいずれも撮影された@trappleさんからお借りしました。@trappleさん、ありがとうございます!)

そうこうしている内に、いつの間にか最後のLT&閉会の時間になってしまった。どんだけ集中してたのか(笑)。

LT & 閉会

Lightning Talks Day 2 - YAPC::Asia Tokyo 2015

LTではトップのyoku0825さんとyappoさんが印象深かった。yokuさんのMySQLトークは前日のLTを見て自分もやっぱりやろう、という感じで応募&準備されたらしいのだけど、すごい完成度(笑)。軽やかにすごい内容をやる、という意味ではLTの王道なのかも。

yappoさんのLT、オチのない余韻みたいのも含めて共感した。

牧さんの閉会トーク、ベストトーク賞の発表も挟みつつ、スマートにエンターテインしていて良かった。
牧さん&スタッフの皆さんがYAPC::Asiaの運営を通して得られた知恵とスキルと経験、ぜひまた新たな場所で発揮して頂きたい。そしてそれに参加したい。

Aftershow

ホテルは前夜までしか取っていなくて、その日のうちに千葉まで帰らなくてはならず、そもそも仕事も普通にピークだったので、翌日のハッカソンまで視野に入れつつ五反田の後夜祭へ向かうPerl入学式ファミリーの面々とは途中までわいわい一緒に歩きながら、しかし途中で離脱。
またお会いしましょう、もっと寒くなった頃に……。

YAPC::Asiaはひとまず最終回。ということですが、個人的に思ったのはもう大規模なものを誰かが引き継ぐ、といったことではなく、今ある地方.pmや他言語カンファレンスを着実に、それぞれの個性や目的に沿ってより洗練させていくことが今後は価値を持っていくのかな、と。

いろんな集まりが、それぞれの方針を先鋭化させながら他に類のないものを多く生み出していければ面白いし、そういう中の一つとして自分もまた何か作っていきたいと思ってる。

過去回も含めて運営サイドの皆さん、参加された皆さん、おつかれさまでした。ありがとうございました!